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訂正-焦点:激化する中国の電動SUV値下げ競争、輸出経由で米欧勢にも打撃

発行済 2023-05-10 09:56
更新済 2023-05-10 13:28
© Reuters.  5月8日、電気自動車(EV)の価格競争の震源地である中国市場では今、主戦場が電動の多目的スポーツ車(SUV)へと移り、国内外のメーカーが激しくしのぎを削っている。写真は

(英文の訂正により15段落目の三菱自動車に言及した箇所を「先週」から「先月」に訂正します)

[上海 8日 ロイター] - 電気自動車(EV)の価格競争の震源地である中国市場では今、主戦場が電動の多目的スポーツ車(SUV)へと移り、国内外のメーカーが激しくしのぎを削っている。このため国内での利ざやは圧迫され、中国製電動SUVは輸出にはけ口を求め始めた。

中国の電動SUV市場は90余りのモデルがひしめく。4月には国内外のブランドが少なくとも20の新モデルを発売し、競争が一段と激化した。

中国のEVメーカーはテスラの大幅値下げに追随。これにより内燃エンジン車との価格差が縮小し、そのシェアを奪っている。中国製電動SUVの輸出が増加するにつれて、こうした流れは海外にも広がりそうだ。

コンサルタント会社シノ・オート・インサイツの創設者、トゥ・レ氏は「中国市場は極度に競争が激しいため、中国車の輸出が大量に行われるだろう。(輸出が)圧力解放バルブの役割を果たすことになる」とみている。

中国では過去10年間にSUV市場が急成長し、直近の自動車販売全体の40%近くを占める。SUVの車種はあらゆる燃料タイプを合わせると400種。昨年の中国製SUVの販売台数は1100万台余りで、これは昨年に欧州で販売された全自動車台数に匹敵する。

テスラが2年前に中国で国産のモデルYを発売して以来、電動SUVの人気は爆発的に高まり、世界最大の自動車市場である中国で最も急成長している部門の1つとなっている。

4月の「上海国際自動車ショー」では国内外のメーカーが相次いで新モデルを発表。フォルクスワーゲン(VW)、BMW、トヨタ自動車など海外メーカーは中国での販売強化に向けて新型電動SUVに期待を掛けている。

中国のEV新興企業である小鵬汽車と上海蔚来汽車(NIO)は6つのSUVモデルを持ち、広州汽車 (GAC) 傘下の埃安など中国国有メーカーが立ち上げたEVブランドも電動SUVの展開を進めている。

中国自動車工業会(CAAM)のデータをロイターが分析したところ、中国の電動SUV販売台数は昨年、150万台に上った。93車種がしのぎを削り、上位10ブランドが84%のシェアを握っている。

テスラが中国でモデルYの生産を始める前の2020年には、電動SUVは76車種、年間平均販売台数は3000台に過ぎなかった。

モデルYは最近わずかに値上げされたが、それでも昨年10月上旬と比べると、中国ではまだ20%も安い。

<激しい値引き競争>

小鵬汽車、零跑汽車などは独自の値引きで反撃、EV最大手の比亜迪(BYD)は売れ行きが好調なSUV、「宋プラス」に1000ドル、約4%の値引きを提示した。

ブランド価値を守るために既存モデルの値引きを避けたメーカーは、代わりに新モデルの発売価格を想定より低く設定したり、航続距離を延ばしたり、オートパイロット機能を強化するなどの対応を取った。

例えば、浙江吉利はEVブランド「ZEEKR(ジーカー)」の新型コンパクトクロスオーバー「ジーカーX」の最低価格を2万7500ドルと、モデルYより28%安い水準に設定した。

ほぼ同じ価格帯であるホンダの「CR-V」は第1・四半期に販売台数が56%減少。三菱自動車の広報担当者も先月(訂正)、中国でのSUV「アウトランダー」の生産を3カ月間停止したと明らかにした。

シノ・オート・インサイツのレ氏は、4万ドル以下の小型SUVで大衆市場を狙う米フォードのような外国メーカーにとって、現実は「残酷」だと述べた。

フォードのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は、中国は国内電動SUV市場の競争が激しいことが原因で、輸出に拍車がかかっているとの認識を示した。同社自体、中国事業を再編して合弁企業の1つを低価格車の輸出拠点に転換する考えだという。

直近四半期に中国での利益が約25%落ち込んだ米ゼネラル・モーターズ(GM)は中国でのシェア回復に新型EVの成功が欠かせないが、非常に厳しい闘いになりそうだ。

テスラと仏ルノーは、すでに中国製の電動SUVを欧州に向けて大規模に輸出している。ロイターはテスラが上海工場でカナダ向けの「モデルY」の生産を開始したと報じた。北米向けの輸出は初めてだ。

一方、中国メーカーは欧州への電動SUVの販路拡大に策を練っている。

浙江吉利は「ジーカーX」を欧州市場に投入すると発表。BYDのSUV「ATTO3」は欧州での受注を開始し、輸出が第1・四半期に2倍以上に増えた。

*英文の訂正により15段落目の三菱自動車に言及した箇所を「先週」から「先月」に訂正します。

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