Munsif Vengattil Dhwani Pandya
[ベンガルール 8日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアは8日、インドの大手財閥リライアンス・インダストリーズおよび有力財閥タタ・グループとAI(人工知能)分野で提携すると発表した。インドでの大規模言語モデルの開発、生成アプリやクラウド・インフラプラットホームの構築で協力する。
大規模言語モデルは大量のテキストデータを使ってトレーニングされた自然言語処理システムで、質問に答えたり、新たなテキストを生成できる。
リライアンスとの提携では、エヌビディアが演算能力を提供し、リライアンス傘下の通信会社ジオがAIインフラの維持管理や顧客対応を担当する。
エヌビディアは「リライアンスは、4億5000万のジオの顧客向けにAIアプリやサービスを開発し、インド国内の科学者や開発者、スタートアップにエネルギー効率の良いAIインフラを提供する」と述べた。
リライアンスのムケシュ・アンバニ会長はかねて、AIの膨大な演算処理に対応できるデジタルインフラがインドには必要と指摘していた。エヌビディアとの提携により、リライアンスは最新のAIチップを利用できる。
リライアンスは、新たなAIインフラはチャットボットや医薬品開発、気候調査などインドの重要AIプロジェクトを加速させると述べた。
また、エヌビディアとタタは声明で、今回の提携はインドのITサービス最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が中心となり、生成AIアプリおよびスーパーコンピュータの構築・処理に活用されると指摘。TCSの約60万人におよぶ従業員のスキルアップも図るという。
また、今回の提携により、製造業から消費者向けビジネスまで幅広く展開しているタタ・グループ全体のAI主導の変革を促進するとした。