Nikunj Ohri Sarita Chaganti Singh
[ニューデリー 22日 ロイター] - 米金融大手JPモルガンは22日、新興国債券指数「GBI―EMにインド国債を組み入れると発表した。海外マネーの大量流入につながるとみられる。
GBI―EMの指数群は世界の約2360億ドル規模のファンドのベンチマークとなっている。
組み入れ対象となるのは 外国投資規制がないインド国債23銘柄で額面合計額が3300億ドルに上る。
インド国債の組み入れ比率はGBI─EMグローバル・ディバーシファイド指数が最大10%、GBI─EMグローバル指数が約8.7%になる見込みとした。
2024年6月28日に採用を開始し、10カ月間にわたり組み入れ比率を1%単位で引き上げていくとした。
発表を受け、インドの10年債利回りは序盤の取引で7月27日以来の低水準となる7.0717%を付けた。一方、通貨ルピーは序盤に対ドルで0.3%上昇した。
インド首相経済諮問委員会のメンバーは、国債の指数組み入れにより、海外からパッシブ資金が大量に流入することになり、中期的にはインドの資金調達コストが下がるとの見方を示した。
シティのアナリストは22日の調査ノートで、GBI─EMへの組み入れはインド国債の需要を促進し、数カ月内に10年債利回りが7%を割りこんで6.80%を付ける可能性があると予想した。
インドは世界的な債券指数採用を目指し、19年に協議を開始、20年に一部の国債に対する外国投資規制を撤廃した。しかし、キャピタルゲイン税や現地決済などに関する政府の方針が原因でこれまで採用が見送られてきた。
外国人投資家による年初来のインド国債買い越し額は34億ドルと低調で、保有比率は2%未満にとどまっている。
BofAセキュリティーズは7月のリポートで、JPモルガンの指数に採用されれば他の投資家も追随する可能性があると予想した。
バークレイズのマネジングディレクター兼アジア新興国担当責任者のラフル・バジョリア氏は「指数組み入れの期間中に合計200億─250億ドルの資金が流入すると予想しているが、ある程度の前倒しも考えられる」と述べた。