Joyce Lee Heekyong Yang
[ソウル 11日 ロイター] - 韓国サムスン電子は11日、第3・四半期の営業利益が前年同期比78%減少するとの見通しを示した。主力の半導体事業が世界的な供給過剰に直面し、損失を計上する見込みであることが背景。
営業利益は2兆4000億ウォン(17億9000万ドル)の見通し。前年同期は10兆8500億ウォンだった。
LSEGスマートエスティメートによるアナリスト予想の2兆1000億ウォンは上回った。
ソウル株式市場の寄り付きで株価は3.3%上昇。アナリストによると、メモリーチップ価格が第3・四半期に底を打った可能性が高く、一部は回復し始めている。
ダオル投資証券のアナリスト、コ・ヨンミン氏は「予想より良かった。半導体事業の状況は良くないが、メモリー価格の下落は和らいでおり、これ以上の下落は限定的だろう」と語った。
第3・四半期の営業利益は前年同期を大幅に下回るものの、第1・四半期(6400億ウォン)や第2・四半期(6700億ウォン)からは改善となる。
半導体事業は第1・四半期が4兆5800億ウォンの赤字、第2・四半期が4兆3600億ウォンの赤字だった。メモリーチップの価格が下落し、在庫評価を引き下げたことが響いた。
ただ、アナリストによると、サムスンは従来型半導体の生産を減らしつつ、人工知能(AI)向けなどより利益率の高いハイエンド製品に注力しており、メモリーチップ事業の損失は第3・四半期に3兆ウォン前後に縮小した可能性が高いという。
サムスンの発表によると、第3・四半期の売上高は前年比13%減の67兆ウォンとなる見通し。
詳細な決算は31日に発表する。
コ氏は「投資家はサムスンが半導体価格について何を語るのかに注目し、業界の回復見通しを見極めようとするだろう」と述べた。
アナリスト5人の予想平均によると、サムスンのモバイル事業は、昨年同様となる約3兆ウォンの営業利益を計上した可能性が高い。この四半期に折りたたみスマートフォンを発売し、売り上げを伸ばした。
第3・四半期はフラッグシップスマホを発売するほか、米アップルなどの顧客からのディスプレーパネル需要が高まることから、モバイル・ディスプレー事業にとって例年好調な時期となっている。