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パンチ工業 Research Memo(2):技術開発への強い意思や柔軟な発想力、行動力が成長力の源泉

発行済 2015-08-27 16:03
更新済 2015-08-27 16:33
パンチ工業 Research Memo(2):技術開発への強い意思や柔軟な発想力、行動力が成長力の源泉
6165
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■会社概要 (1)会社沿革 パンチ工業 (TOKYO:6165)は1975年創業の金型用部品メーカーで、当初はプリント基板用穴あけピンの販売からスタートした。
当時のプリントピンはピアノ線を使用するのが一般的であったが、耐久性が低く、しばしば生産ラインが停止する要因になっていたことが難点であった。
同社ではこうした点に着目し、靱性のあるハイス鋼(高速度工具鋼)を用いたプリントピンを開発し、市場を開拓していった。
同社の事業が大きく成長した契機となったのは、1982年に世界で初めてプラスチック金型用部品、ハイスエジェクタピンの標準化と量産化に成功したことである。
当時、主要取引先であったエレクトロニクスメーカーでは、SCM3エジェクタピン(クロムモリブデン鋼)を使用していたが、精度や耐久性の向上を求める声が強く、こうしたニーズに応えるべく当時は商品化が困難と言われていた硬度の高いハイス鋼によるエジェクタピンの開発に取り組んだ。
同社では開発を進めるに当たって、金属の専門知識をもつ大学の研究機関に協力を仰ぐだけでなく、社員を大学の研究室に派遣し、金属についての知識や熱処理技術を学ばせ修得したほか、材料商社などの協力もあって従来のSCM3エジェクタピンの約2倍に寸法精度を高め、耐久性も飛躍的に向上したハイスエジェクタピンの開発に成功し、同社独自の規格で標準化し、量産化していった。
ハイスエジェクタピンの採用で、エレクトロニクスメーカーの生産性も大きく向上することになり、金型用部品業界において後発だった同社のシェアも一気に拡大していった。
また、1989年にはプラスチック金型用部品で蓄積してきた技術力や信頼性をベースにプレス金型用部品市場にも進出、超精密・高品質の要求度が高い顧客ニーズに応えながら市場を開拓していった。
このように、新たな技術開発に対する強い意思や柔軟な発想力、行動力は創業当時から現在まで受け継がれており、同社の成長力の源泉ともなっている。
第2の成長の契機となったのは、1990年の中国進出になる。
同社では国内での将来の人材確保難を予測し、また更なる生産コスト低減を図るために、中国での生産拠点を早期に構築してきた。
当初は大連に子会社を設立し、日本から原材料を持込み、半製品にして日本に逆輸入することからスタートしたが、その後、中国のWTO加盟・市場開放・経済発展とともに、家電製品や自動車の生産が拡大していくなかで、現地での金型用部品需要も増大し、同社でも2001年に販売拠点を設立し、中国での販売も拡大していった。
現在では中国での生産拠点は6ヶ所、販売拠点は32ヶ所まで拡大している。
同社グループの売上比率で47%と国内を上回るまでに成長している。
また、海外展開としては2010年にインドに販売拠点を設立したほか、2013年にはマレーシアの金型用部品メーカーであるPanther Precision Tools Sdn. Bhd.(現:マレーシアパンチ)を子会社化し、2015年11月にはベトナムに新たな生産子会社を設立することを発表している。
なお、株式上場は2012年12月で、東京証券取引所市場第2部に上場し、2014年3月には市場第1部銘柄指定を果たした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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