Haripriya Suresh Sai Ishwarbharath B
[ベンガル―ル 15日 ロイター] - インドのソフトウエアサービス大手、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)のクリチバサン最高経営責任者(CEO)は、北米業績が低迷する中、日本や中南米、南欧などの市場へ今まで以上に重点を置く方針を明らかにした。
この市場多様化計画は、業界を主導する同社の四半期利益の伸びが2020年以降最低となり、主力市場の北米からの売上高が4四半期連続で減少したことを受けて策定された。
クリチバサン氏は「北米での事業展開を意識的に減らすとは言わないが、中南米や南欧、日本など他の地域での事業を意識的に増やす」と述べた。
北米は2450億ドル規模のインドのIT業界にとって極めて重要で、一部の企業は売上高の半分以上をこの地域から得ている。北米のIT顧客はここ数四半期、インフレ圧力と景気不透明感の中、裁量プロジェクトへの支出に消極的になっている。
こうした中、同社は言語などの障壁にもかかわらず、成長の余地の大きな日本などの市場に注目している。
同社は従来、国外の顧客へのサービス提供でより多くの収益を上げてきたが、自国にも目を向けている。第3・四半期(10─12月)の同社売上高に占めるインド国内の売上高の割合は6.1%で、2018年第2・四半期(7─9月)以来の高水準となった。中南米の売上高は全体の2.1%を占めた。