[ダボス(スイス) 16日 ロイター] - LSEG(ロンドン証券取引所グループ)のデイヴィッド・シュウィマー最高経営責任者(CEO)は16日、金融サービスで人工知能(AI)を利用する場合は、データの正確性と信頼性を確保するため、一定の安全対策が必要だが、その前にまずAIがどのような機会をもたらすか見極める必要があると述べた。
同氏は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のパネル討論で「AIの利用を巡っては、データの検証可能性など、規制上の安全対策を導入することが重要だ」と指摘。AIを活用したモデルが疑わしいデータを基に誤った予測をしないようにする必要があると述べた。
また「何がチャンスなのかを見極める前に、規制による制限を設けることには注意する必要がある」とも発言した。
同氏は、生成AIについて、変革をもたらす可能性を秘めており、業界関係者や規制当局がAIの進歩に追いつこうとしていると指摘。取引所を含め、金融セクターはすでに厳しく規制されており、規制当局と敵対関係になることが少なくないが、急速に進化するテクノロジーに対応するには、協力関係が望ましいとの認識を示した。