[アムステルダム 24日 ロイター] - オランダ半導体製造装置メーカーのASMLホールディングが24日発表した2023年第4・四半期決算は、売上高と純利益が予想を上回り、受注も過去最高に達した。ただ、中国向け輸出に新たな規制がかけられる中、24年に関して慎重な見通しを据え置いた。
純利益は9%増の20億ユーロ(21億7000万ドル)と、LSEGがまとめた予想の18億7000万ユーロを上回った。売上高は72億ユーロ、予想は69億ユーロだった。
受注は90億ユーロを超え、前四半期の3倍以上の水準を確保したが、人工知能(AI)向け半導体の需要好調にもかかわらず、24年の売上高伸び率は横ばいとの見通しを維持した。
ピーター・ウェニンク最高経営責任者(CEO)は「半導体業界はなおサイクルの底にある」と述べた。「顧客は今年の半導体市場の回復にまだ確信を持っていないが、明るい兆しはある」とし、半導体需要の改善や工場稼働率上昇を挙げた。
中国については、23年に導入された米国とオランダの新たな輸出規制の影響が24年に出ると指摘、中国向け売上高の最大15%に影響するとした。同社にとって、中国は台湾、韓国に次ぐ第3位市場。
ロジャー・ダッセン最高財務責任者(CFO)は高度な浸潤式露光装置に関して、今年オランダ政府から中国向け輸出の許可が下りないとの見方を示し、同社の「NXT:2000i」以降の装置などが該当すると指摘した。
また昨年10月に導入された米国の直接的な輸出制限により、一部の工場は「NXT:1970i」と「NXT:1980i」についても輸出許可を得られないだろうと述べた。
ただ旧型の装置に対する中国からの需要は依然として非常に強く、今年も堅調に推移するとの見通しを示した。