Nell Mackenzie
[ロンドン 29日 ロイター] - ゴールドマン・サックスはヘッジファンドによる1月23─25日の中国株の買い越し累計額が3日間の買い越しとしては過去5年間超で最大だったと発表した。ロイターが29日、ゴールドマンの26日付の顧客向けメモを入手した。
中国政府は先週、不動産セクターの危機と低成長に見舞われている中国経済に対する信頼を回復するための取り組みを強化。香港のハンセン指数は23日から3営業日で6%上昇したほか、上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数は3%超上昇した。
ヘッジファンドは過去10週中8週において中国株の下げに賭けていたが、先週はショートの巻き戻しではなく完全なロングポジションに移行したという。
ゴールドマンによると、ヘッジファンドは中国株を取得する手段として、海外企業の米預託証券(ADR)に資金を投じた。続いて中国本土のA株や香港上場の中国企業(H株)に資金が向かったという。
さらに、アジア新興株市場の1月25日終了週の資金流入額が過去5年間超で最大となった。最も買い越しとなったのは中国株、続いて台湾株とインド株だったという。
ヘッジファンドのポジションが中国にシフトしていることは、センチメントの変化が起きていることを示唆している。
ゴールドマンとバンク・オブ・アメリカ(BofA)はそれぞれのメモで、EPFRのデータによると、先週24日までの1週間で約120億ドルの資金が中国株ファンドに流入し、過去2番目の大きさだったと発表した。2015年以降では最大という。
ゴールドマンのメモによると、この資金流入は大半が中国の国内上場投資信託(ETF)を通じたものだという。
もっともゴールドマンによると、中国株の全体的なポジションはヘッジファンド、投資信託ともに5年ぶりの低水準にとどまっている。EPFRのデータによると、投資信託の中国株保有比率は12月末時点で5.5%と、過去10年で最低水準という。
ゴールドマンは、中国株について引き続き「建設的」とした。