Miho Uranaka
[東京 26日 ロイター] - 世界の機関投資家が参加するアジア・コーポレートガバナンス協会(ACGA)は26日、日本企業に対して政策保有株式の縮減を加速し、原則として保有をゼロにすべきとの提言をまとめた。
ACGAはTOPIX500構成企業の有価証券報告書をもとに、2023年3月末時点で460社が政策保有株を保有しているとし、純資産額に対する比率が10%を超える企業は28%に上ると指摘。削減は進んでいるもののペースは緩やかで、「資本効率の改善の足かせになりかねない」とした。
株主が経営陣の責任を厳しく問わない可能性があるなどコーポレートガバナンス(企業統治)の観点からも懸念を示し、政策保有株が純資産の5%以上ある企業については特別委員会を設置することを一案として提唱した。株式の売却計画や達成方法、売却益の資金使途を精査する機能を取締役会と監査役が担うことを勧めている。
政策保有株のより具体的な保有状況や取締役会の監督状況などを開示することも求めた。
ACGAには、年金基金や政府系ファンドなどアジアで事業や投資を手掛ける世界の101団体が参加。22年10月には東京証券取引所プライム上場企業の取締役会の多様化に関する提言をまとめた。今回の提言には日本の企業年金連合会や香港投資ファンドのオアシス、英資産運用のシュローダーなど20社超の機関も共同署名している。