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シュッピン Research Memo(4):2024年3月期は「カメラ事業」が順調に拡大。「時計事業」も急回復(1)

発行済 2024-07-16 13:24
更新済 2024-07-16 13:30
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*13:24JST シュッピン Research Memo(4):2024年3月期は「カメラ事業」が順調に拡大。
「時計事業」も急回復(1) ■シュッピン (TYO:3179)の決算概要

1. 2024年3月期決算の概要
(1) 決算の概要
2024年3月期の業績は、売上高が前期比7.1%増の48,841百万円、営業利益が同35.7%増の3,343百万円、経常利益が同37.1%増の3,344百万円、当期純利益が同36.8%増の2,322百万円と増収増益となり、売上高・各利益とも過去最高を更新した。


主力の「カメラ事業」がEC及び店舗ともに好調に推移し、業績全体の伸びをけん引した。
全般的に新製品発売による追い風要因が少なかったものの、引き続きAI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心とするコンテンツの充実が奏功し、EC売上高が好調に推移した。
また、好調なインバウンド需要を背景とする免税売上(店舗)の伸びも増収に寄与した。
一方、2023年3月期下期においてグローバル価格相場の下落の影響を受けた「時計事業」は通期では減収となったものの、価格相場は安定し、在庫の入れ替えや業界初となるワンプライス買取の強化等を進めたことにより急回復し、黒字転換を実現した。


利益面でも、AIMDのバージョンアップなどを通じて「カメラ事業」を中心に高い売上総利益率を確保した。
また、平均給与増により人件費が増加したものの売上総利益の伸びで吸収し、大幅な営業増益となった。
営業利益率も6.8%(前期は5.4%)に改善した。


財政状態については、「商品」在庫の積み増しやシステム投資に伴うソフトウェア仮勘定の増加等により総資産は前期末比6.6%増の16,063百万円となった。
自己資本も内部留保の積み増し等により同27.6%増の8,264百万円に拡大したことから、自己資本比率は51.5%(前期末は42.9%)に改善した。
有利子負債は同25.9%減の4,303百万円に減少し、財務の健全性が高まった。
一方、同社では約92億円で着地した在庫についてはまだ積み足りないとの課題認識のようだ。


(2) 売上総利益率及び販管費の状況
2024年3月期の売上総利益率(全体)は18.7%(前期は17.0%)と大きく改善し、本来の水準に戻ってきた※。
「カメラ事業」におけるAIMDのバージョンアップを図ったこと、「時計事業」でも在庫の回転を通じて利益確保の販売を進めたことが奏功した。
販管費については平均給与増に伴う人件費の増加に加え、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料などが増加し、販管費比率は11.8%(前期は11.6%)とわずかに上昇したが、11%台でコントロールできているという見方が妥当と言える。


※2023年3月期は、グローバル価格相場の下落に伴う「時計事業」の棚卸商品評価損の計上などにより、売上総利益率が一時的に大きく低下した。



2. 事業別の業績
(1) カメラ事業(EC比率:84.2%)
売上高は前期比12.1%増の36,664百万円、セグメント利益は同12.7%増の4,294百万円と順調に拡大し、過去最高業績を更新した。
カメラの新製品発売という追い風は少なく、一定期間においてシステム障害※1によるマイナス影響があったものの、一部新製品で記録的な販売があったほか、引き続きAIMDやAIコンテンツレコメンドといったAI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心としたコンテンツの充実※2が奏功し、EC売上高が好調に推移した。
特にLINEやYouTube配信からの流入※3が増え、2024年3月は過去2番目のEC売上高を記録した(店舗売上を含むと過去最高)。
店舗売上についても、免税売上の回復とともに大きく伸ばすことができた。
利益面でも、増収やAIMDの効果などにより人件費増などをこなしながら増益を確保し、セグメント利益率は11.7%(前期は11.6%)と過去最高水準となった。


※1 システム障害のため、2023年12月1日から2024年1月22日まで、楽天市場及びYahoo!ショッピング(以下、国内モール)の一時出店停止を行ったもの。
同社基幹システムと国内モールのデータを連携する機能が2023年11月末日で提供終了されることに伴い、切り戻しが不可能な状況下にて行ったシステム切り替えに失敗したことが原因である。
同社では本件による機会損失を393百万円と見ており、影響は軽微と言える。

※2 2023年10月に発売された「Nikon Z f」の紹介動画が人気を博したことを契機に1ヶ月当たりの動画閲覧回数が2倍近くとなり、販促効果が表れ始めている。

※3 LINE配信は2年で14倍、YouTube経由の購入額は1年で2.3倍となった。



(2) 時計事業(EC比率:48.7%)
売上高は前期比5.4%減の10,974百万円、セグメント利益は444百万円(前期は191百万円の損失)と減収ながら大幅に損益が改善した。
高級機械式時計の価格相場が安定して推移するなかで通期では減収となったものの、その点は想定内である。
データに基づく販売と仕入による在庫回転の向上とともに、6月以降は回復傾向をたどり、第4四半期は前年同四半期比14.1%増の増収を確保した。
利益面では、グローバル価格相場の下落による影響を受け損失計上となった2023年3月期から、黒字転換を実現し急回復した。
特に粗利益の出にくい在庫を第1四半期の間にほぼ一掃すると、第2四半期以降は業界初となるワンプライス買取の強化※等を通じて、手堅く利益を獲得することができた。


※これまで2,600点であった対象商品を6,000点以上に増やし、見積りの段階で値引きをしない買取手法を通じて、全体として利益を確保しやすい価格での仕入を行っている。



(3) 筆記具事業(EC比率:70.4%)
売上高は前期比1.3%減の433百万円、セグメント利益は同60.4%増の62百万円と減収増益となった。
EC売上高が伸び悩むも、高額品や高利益品の販売が進み、大幅な増益を実現した。


(4) 自転車事業(EC比率:58.9%)
売上高は前期比10.0%減の769百万円、セグメント利益は同14.6%減の47百万円と減収減益となった。
円安による完成車価格の上昇やコロナ禍の健康需要の一服感からEC売上高が伸び悩んだが、市場が冷え込むなかでもセグメント黒字を維持することができた。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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