アップル（NASDAQ:AAPL）は人工知能（AI）を活用し、10億人を超える膨大なユーザーベースをターゲットに、iPhoneの販売を若返らせようとしている。月曜日に開催された開発者向けカンファレンスで、同社は最新のAIの進化を明らかにした。これは、2020年にiPhone 12が発売されて以来、最も重要なiPhoneのアップグレードサイクルにつながる可能性がある。
業界アナリストによると、少なくともiPhone 15 ProまたはPro Maxが必要となるこの新しいソフトウェアは、新規購入の波を刺激する可能性があるという。 D.A.デビッドソンは、新しい製品は5G機能で購入者を魅了したiPhone 12以来、最も魅力的だと表現した。
アップルは、テキストや画像などのコンテンツを作成できるジェネレーティブAI、Apple Intelligenceを紹介した。AIが生成するカスタム絵文字、漫画、電子メールのテキスト拡張などのデモが行われた。アップルのデジタルアシスタントであるSiriも、ChatGPTの支援を提供するようにアップデートされた。
しかし、一部のアナリストは、消費者が強化されたAI機能のために新しいiPhoneの購入を急ぐことに懐疑的な姿勢を崩していない。Forresterのアナリストは、今回のアップデートは新たなファンを惹きつけるには不十分かもしれないと指摘し、Global XのTejas Dessaiは、アップルによるもっと野心的なAI戦略を求めた。発表後、アップルの株価は2％下落した。
プライバシーのためにデバイス上のデータを処理するように設計されたAI機能は、2023年9月にリリースされるiPhone 15 ProとPro Maxから始まるアップルの最新スマートフォンに搭載されるチップセットを必要とする。ウェドブッシュ証券はこれをチャンスと見ており、過去4年間で約2億7000万台のiPhoneがアップグレードされていないと推定している。アイブズ氏は、iPhoneユーザーの15％以上が、新しいAI機能を求めて、今秋発売が見込まれるiPhone 16に乗り換えると予測している。
iPhoneの売上高は前年の2055億ドルから2023年9月期には2006億ドルに減少するものの、アップルはディスプレイの大型化やカメラの改良など、AI以外の機能で顧客を惹きつけ続けている。とはいえ、オッペンハイマー・アンド・カンパニーは、AIがアプリ内やアプリ間でアクションを実行する能力によって、アップルが消費者向けAI技術のフロントランナーとしての地位を確立する可能性があると見ている。
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