米国政府は、米国の高齢者向け医療保険制度であるメディケアの主要処方薬10品目について、新たに値下げ交渉を行い、初年度に60億ドルを節約することになった。この発表は、2022年に制定されたジョー・バイデン大統領のインフレ削減法（Inflation Reduction Act）が可能にした交渉の結果を詳述したものである。この法律により、メディケアは6,600万人の受益者のために薬価交渉を行うことができるようになり、新しい薬価は2026年に発効する予定である。
カマラ・ハリス副大統領は、同法案の賛否同数の票を投じ、すべてのアメリカ人にとって手ごろな医療費が重要であることを強調した。ハリス副大統領は、カリフォルニア州司法長官時代に、コスト削減への努力と製薬会社の責任を追及してきた実績を強調した。
政府による60億ドルの節約に加え、メディケアに加入している個人も自己負担額が減り、2026年には処方薬にかかる推定15億ドルの節約になると述べた。
糖尿病治療薬のジャヌビアやジャーディアンス、血液サラサラ薬のエリキスやイグザレルト、白血病治療薬のインブルビカなどが価格交渉の対象となる。
政権側は、新しい価格体系について具体的な説明はしておらず、また、節約された全額が患者に直接還元されない理由についても説明していない。
このコスト削減は、11月5日に民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ元大統領による大統領選挙が行われる中、国民の高薬価に対する懸念に対処するための政権の努力の一環である。
政権が発表したメディケアで最も高額な医薬品10品目には、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ（NYSE:BMY）とファイザー（NYSE:PFE）のエリキス、メルク・アンド・カンパニーのジャヌビア、ジョンソン・エンド・ジョンソン（NYSE:JNJ）のザレルト、アッヴィ（NYSE:ABBV）のインブルビカが含まれている。価格交渉の対象となる他の医薬品は、アムジェン（NASDAQ:AMGN）のエンブレル、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー（NYSE:LLY）のジャーディアンス、ジョンソン・エンド・ジョンソンのステララ、ノボノルディスク（NYSE:NVO）のインスリンである。
製薬業界がメディケアの交渉に強く反対しているにもかかわらず、いくつかの製薬メーカーは、政府の極秘価格設定を検討した結果、新価格が発効しても事業に大きな影響はないと先月述べた。
ザビエル・ベセラ米保健長官は、製薬メーカーとの交渉プロセスについて、包括的で激しいものであり、合意に至るまでには相当な話し合いが必要であったと述べている。
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