*12:33JST スマサポ Research Memo(3):アナログ・デジタルの両面から不動産管理会社を支援
■スマサポ (TYO:9342)の会社概要
3. サービス別概要
(1) 「スマサポサンキューコール」
入居者満足度調査サービス「スマサポサンキューコール」は、これまで不動産管理物件の新規入居者との接点を持たなかった不動産管理会社へ、入居者との継続的な関係を築く契機をつくるサービスである。
入居時のお礼や満足度アンケート調査の実施を代行するとともに、生活に必要な各種ライフラインサポートなどの案内を手掛ける。
具体的には、不動産管理会社が入居者の同意を得たうえで同社へ入居者の情報を提供し、不動産管理会社に代わって入居者への挨拶を行い、仲介店舗のスタッフの接客や雰囲気などのアンケートを実施する。
また、アンケートを行った入居者の意向をもとに、新電力・インターネット回線・ウォーターサーバーなどの新生活に供するサービスの案内を行い、商材提供事業者へ取次ぎを行う。
同社は、不動産管理会社から提供される入居者情報に対し対価を支払う一方で、販売先・外注先などの外部委託先から顧客紹介手数料、各種商材・サービス提供会社から取次手数料などを収受している。
収受する手数料が売上高、不動産管理会社へ支払う対価が売上原価として計上される。
(2) 「totono」
入居者アプリ「totono」は、不動産管理会社と入居者のコミュニケーションをデジタル化するスマートフォンアプリである。
具体的には、これまで紙・電話・FAXで行われていた「入居時点検」「駐車場・駐輪場契約、更新、退去等の各種申請」「近隣トラブルの相談」などが、「totono」によりデジタル化できる。
基幹システムと連携することにより不動産管理会社は、電話で受けていた各種情報を入力する手間を省けるほか、これまで物件の掲示板に貼り出していた「断水のお知らせ」などの連絡を入居者に直接届けられるため、業務効率化につながる。
入居者にとっても手軽に各種申請作業やトラブルを相談できるメリットがある。
たとえば、入居者は350項目以上あるQ&Aリストを活用して部屋の不具合を自己解決できるうえ、それでも解決しなかったものはアプリ内のチャット上に画像をアップロードし、的確に不具合の状況を伝えられるため、トラブルの早期解決につながる。
チャット対応について、リソースが不足している不動産管理会社に対しては、代行してチャットの返信を行うチャットセンターの運営も行っている。
「totono」は利用する不動産管理会社から初期導入料及び毎月の利用料を収受している。
この利用料が売上高となり、アプリの機能開発にかかる人件費や外注費などが主な売上原価となる。
(3) 「SKB」
スマサポ内覧サービス「SKB(Sumasapo Key Box)」は、賃貸物件の内覧時における鍵の管理業務を効率化するキーボックスである。
これまでは不動産仲介会社が賃貸物件を内覧する際には不動産管理会社に鍵を取りに行き、内覧が終わったら返しに行くことが必須で、鍵の管理も極めて煩雑であった。
「SKB」は内覧用の鍵を空室のドアに設置したキーボックス内に格納し、アプリによって開閉できるため、鍵の管理を行う必要がなくなる。
アプリによるキーボックスの開閉は不動産管理会社が承認をした時に限られるため、セキュリティ面も強化できる。
また、内覧履歴も残るため、どの部屋がいつ誰によって開閉されたのかが分かり、不動産管理会社はそのデータを活用してリーシングを強化できる。
収益は、導入する不動産管理会社から導入時に収受する機器代、月額利用料を売上高として計上する。
(4) 家賃保証サービス「sumai保証」
家賃保証サービス「sumai保証」は、入居者の連帯保証人を代行するサービスである。
入居者にとっては保証料を支払うことで連帯保証人を立てる必要がなくなり、不動産管理会社にとっては規定する保証の範囲内で滞納賃料や原状回復費用の未回収分などの立替えを受けられる。
収益は、入居者から収受する保証料を売上高として計上する。
4. 競合・強み
同社の主力サービスのうち、「スマサポサンキューコール」についてはラストワンマイル (TYO:9252)、リベロ (TYO:9245)などのディストリビューターが、「totono」については日本情報クリエイト (TYO:4054)、GMO TECH (TYO:6026)の子会社であるGMO ReTech(株)などの不動産管理のITシステム・アプリの開発企業が主な競合企業となる。
電力やインターネットなどの取次事業やITシステムの開発事業を行っている企業は国内に多数存在するなかでの同社の強みは、不動産管理業界独自の知見を生かし、顧客の業務効率の改善に関してこれまで蓄積してきたノウハウである。
不動産管理会社は情報リテラシーの格差が大きく、各企業の実態や課題に合わせたソリューションの提供やきめ細やかなアフターフォローが必要であるが、同業界の現場感覚を理解していないと顧客に寄り添った提案を行えない。
その点、同社の経営陣は不動産管理会社が母体となって設立された経緯があり、顧客の現場の状況に対する理解が深く、収益向上が実現するまで並走するコンサルティングや業務改善、提案活動を行える。
アナログなサービスを得意とする「スマサポサンキューコール」と、デジタル化により業務改善、収益向上を実現する「totono」を一気通貫で提供する同社は一定の競争優位性を有している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
3. サービス別概要
(1) 「スマサポサンキューコール」
入居者満足度調査サービス「スマサポサンキューコール」は、これまで不動産管理物件の新規入居者との接点を持たなかった不動産管理会社へ、入居者との継続的な関係を築く契機をつくるサービスである。
入居時のお礼や満足度アンケート調査の実施を代行するとともに、生活に必要な各種ライフラインサポートなどの案内を手掛ける。
具体的には、不動産管理会社が入居者の同意を得たうえで同社へ入居者の情報を提供し、不動産管理会社に代わって入居者への挨拶を行い、仲介店舗のスタッフの接客や雰囲気などのアンケートを実施する。
また、アンケートを行った入居者の意向をもとに、新電力・インターネット回線・ウォーターサーバーなどの新生活に供するサービスの案内を行い、商材提供事業者へ取次ぎを行う。
同社は、不動産管理会社から提供される入居者情報に対し対価を支払う一方で、販売先・外注先などの外部委託先から顧客紹介手数料、各種商材・サービス提供会社から取次手数料などを収受している。
収受する手数料が売上高、不動産管理会社へ支払う対価が売上原価として計上される。
(2) 「totono」
入居者アプリ「totono」は、不動産管理会社と入居者のコミュニケーションをデジタル化するスマートフォンアプリである。
具体的には、これまで紙・電話・FAXで行われていた「入居時点検」「駐車場・駐輪場契約、更新、退去等の各種申請」「近隣トラブルの相談」などが、「totono」によりデジタル化できる。
基幹システムと連携することにより不動産管理会社は、電話で受けていた各種情報を入力する手間を省けるほか、これまで物件の掲示板に貼り出していた「断水のお知らせ」などの連絡を入居者に直接届けられるため、業務効率化につながる。
入居者にとっても手軽に各種申請作業やトラブルを相談できるメリットがある。
たとえば、入居者は350項目以上あるQ&Aリストを活用して部屋の不具合を自己解決できるうえ、それでも解決しなかったものはアプリ内のチャット上に画像をアップロードし、的確に不具合の状況を伝えられるため、トラブルの早期解決につながる。
チャット対応について、リソースが不足している不動産管理会社に対しては、代行してチャットの返信を行うチャットセンターの運営も行っている。
「totono」は利用する不動産管理会社から初期導入料及び毎月の利用料を収受している。
この利用料が売上高となり、アプリの機能開発にかかる人件費や外注費などが主な売上原価となる。
(3) 「SKB」
スマサポ内覧サービス「SKB(Sumasapo Key Box)」は、賃貸物件の内覧時における鍵の管理業務を効率化するキーボックスである。
これまでは不動産仲介会社が賃貸物件を内覧する際には不動産管理会社に鍵を取りに行き、内覧が終わったら返しに行くことが必須で、鍵の管理も極めて煩雑であった。
「SKB」は内覧用の鍵を空室のドアに設置したキーボックス内に格納し、アプリによって開閉できるため、鍵の管理を行う必要がなくなる。
アプリによるキーボックスの開閉は不動産管理会社が承認をした時に限られるため、セキュリティ面も強化できる。
また、内覧履歴も残るため、どの部屋がいつ誰によって開閉されたのかが分かり、不動産管理会社はそのデータを活用してリーシングを強化できる。
収益は、導入する不動産管理会社から導入時に収受する機器代、月額利用料を売上高として計上する。
(4) 家賃保証サービス「sumai保証」
家賃保証サービス「sumai保証」は、入居者の連帯保証人を代行するサービスである。
入居者にとっては保証料を支払うことで連帯保証人を立てる必要がなくなり、不動産管理会社にとっては規定する保証の範囲内で滞納賃料や原状回復費用の未回収分などの立替えを受けられる。
収益は、入居者から収受する保証料を売上高として計上する。
4. 競合・強み
同社の主力サービスのうち、「スマサポサンキューコール」についてはラストワンマイル (TYO:9252)、リベロ (TYO:9245)などのディストリビューターが、「totono」については日本情報クリエイト (TYO:4054)、GMO TECH (TYO:6026)の子会社であるGMO ReTech(株)などの不動産管理のITシステム・アプリの開発企業が主な競合企業となる。
電力やインターネットなどの取次事業やITシステムの開発事業を行っている企業は国内に多数存在するなかでの同社の強みは、不動産管理業界独自の知見を生かし、顧客の業務効率の改善に関してこれまで蓄積してきたノウハウである。
不動産管理会社は情報リテラシーの格差が大きく、各企業の実態や課題に合わせたソリューションの提供やきめ細やかなアフターフォローが必要であるが、同業界の現場感覚を理解していないと顧客に寄り添った提案を行えない。
その点、同社の経営陣は不動産管理会社が母体となって設立された経緯があり、顧客の現場の状況に対する理解が深く、収益向上が実現するまで並走するコンサルティングや業務改善、提案活動を行える。
アナログなサービスを得意とする「スマサポサンキューコール」と、デジタル化により業務改善、収益向上を実現する「totono」を一気通貫で提供する同社は一定の競争優位性を有している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)