Maki Shiraki
[東京 5日 ロイター] - ホンダは5日、軽乗用車「N-BOX」の3代目となる新型車を6日に発売すると発表した。同社の国内販売はここ数年、半導体不足による供給の遅れで低迷しており、日本で最も売れている車の新型車を投入することで年70万台超えの回復を目指す。
高倉記行日本統括部長は発表会で、「新型N-BOXは(ホンダの国内販売が)70万台を超える台数を達成する上で重要な柱」と指摘。上期は登録車での供給制約が残るが半導体不足も徐々に解消されており、N-BOXの納期は2カ月ほどに戻っている。高倉氏は「下期は供給が改善していくので、年率換算ペースで70万台レベルに引き上げられるのではないか」と述べた。
ホンダ全体で18年度には75万台近くあった国内販売は19年度は約69万台と70万台を下回り、その後も減少傾向をたどって22年度は約56万台まで落ち込んでいる。
新型N-BOXの販売目標は旧型とほぼ同じ、月1万5000台。8月7日からの受注は2万台超。価格は164万8900円(消費税込)からで、最安モデルの比較では約18万円の値上げとなる。安全機能を進化させたほか、「極力抑えたが原材料高も踏まえ、売価を設定した」(廣瀬紀仁・商品企画課チーフ)という。
N-BOXは2011年に発売され、17年投入の2代目では、登録車で採用していた安全運転支援システムを軽自動車として初めて全タイプに標準搭載した。トヨタ自動車の小型車「ヤリス」に首位を奪われた21年を除くと17年以降、国内新車販売トップを維持し、軽四輪車としても8年連続で首位。業界団体がこの日発表した23年度上期(4─9月)も首位となった。
新型車はガソリン車だが、高倉氏は「軽乗用車を中心に日本のEV(電気自動車)市場は広がる」とみており、「当然N-BOXでも電動化を考えていきたい」と語った。
ホンダのEV展開では、24年春に同じNシリーズでの軽商用車、25年に派生車で投入する計画。30年までには世界生産を年200万台超とし、40年までに世界の新車販売全てをEVと燃料電池車にする方針を示している。