サイバーマンデー特売。最大60%引きInvestingPro特別セールを請求する

【コラム アナリスト夜話】:「トランプ・ザ・ゲーム」の次の一手(マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那)

発行済 2016-11-16 11:06
更新済 2016-11-16 11:33
【コラム アナリスト夜話】:「トランプ・ザ・ゲーム」の次の一手(マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那)

先週来、株式以外に価格が急騰しているものがあります。
1989年に発売された「トランプ・ザ・ゲーム」というボードゲームです。
現在、元値の数倍で取引されているようです。
ゲームのルールはシンプルで、互いの持つ不動産を競り落とし、より多くのお金を集めた人が勝ちです。
40代の若き不動産王・トランプ氏自らが販売用CMにも登場していました。
今回トランプ氏を支持した人の中にも、かつてこのゲームで遊び、トランプ的人生に憧れた人は少なくなかったことでしょう。


ちょうどこのゲームが発売された頃、日本でも、三菱地所が「丸の内マンハッタン計画(通称)」という構想を打ち立てました。
30年かけて、40階以上、200メートル級の超高層ビル60棟を建て、ニューヨークのマンハッタンに匹敵する国際ビジネスセンターを作るという壮大な計画でした。


しかしその後のバブル崩壊でこの計画は取り止めになりました。
計画が実行されていればそろそろ完成する頃でしたが、現在丸の内・大手町地区で200メートル級のビルは、「グランドトウキョウ」「JPタワー」など、10棟程度に過ぎません。
もっとも、60棟が林立する計画図は異様な光景で、現実の方がはるかに美観に優れています。


こうして三菱地所など日本の大手不動産会社たちはバブル崩壊の難を逃れましたが、この間トランプ氏の経営する会社は倒産と復活を繰り返しました。
日本との関係でいっても、日本人とともに買収に関わった憧れのエンパイア・ステートビルも数年間で売却を余儀なくされました。
日本の著名ギャンブラーを自家用機で米国の自分のカジノに招き、億円単位の大勝負に出ましたが、結局勝ち分を回収しそびれて痛手を被りました。


トランプ氏の人生のボラティリティの高さは、政権運営上の不安材料でしょう。
しかしやはり、経営する会社の倒産にも、選挙活動への反発にもめげないパワーには感服せざるを得ません。


トランプ氏が1987年に自叙伝に綴った取引術は「目標を高く置き、そこに手が届くまで押して押して押しまくる」(The Art of the Deal)。
その突破力で、まずはアメリカ、ひいては世界を強くして欲しいものです。
「トランプ・ザ・ゲーム」の次の一手が、世界の成長に資するものであることを祈ります。


マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:11/14配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)



最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます