[ロンドン 5日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は5日に開いた閣僚級会合で、現行の緩やかな増産ペースを6月も維持することで合意した。
西側諸国は一段の増産を呼びかけていたが、ロシア産原油の供給阻害の責任はOPECプラスにないとし、呼びかけに応じなかった。また、中国の新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)は需要見通しに対する脅威になっているとの見方も示した。
OPECプラスは昨年8月以降、増産を毎月継続。6月も日量43万2000バレルの増産を行うと決定した。5月も同じ幅での増産を決定している。
今回の会合は、ロシアによるウクライナ侵攻を受け原油価格が急騰する中で開催。前日には、欧州連合(EU)が対ロシア制裁第6弾として、ロシア産原油の段階的輸入禁止、主要銀行や放送局への制裁措置を提案した。
欧州のロシア産原油の輸入禁止措置で、ロシアは輸出をアジアに振り向け、産油量を大幅に削減せざるを得なくなるとみられるが、双方とも原油価格の高止まりにつながる要因になる。
今回の閣僚級会合に出席していた関係筋2人によると、対ロシア制裁措置については全く討議されず、会合は15分足らずと、過去最短で終了した。
インベステックのカラム・マクファーソン氏は、OPECプラスはロシアを巡る問題は「欧米が自ら作り出したもの」と見なしており、OPECプラスが対応すべき根本的な供給問題ではないと考えていると指摘。大きな増産余力を持っているのはサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のみで、「両国が増産すれば、ロシアとの対立でOPECプラスは崩壊する」と述べた。