[キーウ 20日 ロイター] - ウクライナ農務省は20日、エネルギー供給の優先対象とする重要農業施設を選定する許可を政府から得たと明らかにした。ロシアは10月以降、ミサイルやドローン(無人機)でウクライナのエネルギーインフラを攻撃。全土で停電が多発している。
ウクライナは穀物輸出大国。政府の決定により、「食品加工、農業複合施設、およびかんがい・運河の」運営業者が優先供給対象になるという。
ウクライナ穀物協会(UGA)は、ロシアの侵攻により約1000万トン分の穀物貯蔵施設が失われており、「想像を絶する努力で確保した収穫を失うわけにはいかない」と説明。先週、収穫被害の影響軽減のため穀物サイロに対する電力の優先供給を政府に要請した。
ロシアによる侵攻と収穫減により、ウクライナの今年の穀物収穫は約5100万トンと、過去最高を記録した昨年の8600万トンから大幅に減少するとみられている。