[上海 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を市場予想に反して据え置いた。
1年物LPRは3.70%、5年物は4.60%で、それぞれ前月と変わらずとなった。
ロイターが今週実施した調査ではアナリストら28人のうち大半が今月の金利引き下げを予想。11人は1年物と5年物がともに5ベーシスポイント(bp)引き下げられるとみていた。
市場関係者は、人民銀行が追加緩和に慎重になっているとの見方を示している。
MUFGの金融市場担当チーフアナリスト、Marco Sun氏は、LPRは据え置かれたが、人民銀行のスタンスは米連邦準備理事会(FRB)よりもハト派的で、米中の政策乖離は今後も続くと予想。今年第2・四半期にLPRが引き下げられる可能性があると予想した。
ゴールドマン・サックスなどは、人民銀行がインフレの進行やFRBの大幅利上げを懸念している可能性があると分析している。
一部の市場関係者は、信用の伸びが最近力強いことも、LPR据え置きの一因になったのではないかと指摘。
ANZの中国担当シニアストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は「LPRの据え置きは、融資需要が銀行側から見てそれほど悪くないことを示している。今後の信用統計を忍耐強く見守る必要があるかもしれない」とし、信用の伸びが鈍化すれば、LPRが年内に引き下げられる可能性があるとの見方を示した。