[ウェリントン 13日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は13日、インフレ率の急上昇に対応するため、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げて1.50%とする大幅利上げを決めた。利上げは4会合連続。金利は2019年6月以来の水準となった。
ロイター調査では、21人のエコノミスト全員が利上げを予想していた。引き上げ幅は15人が25bpを、残りが50bpを見込んでいた。
中銀は声明で、過去20年余りで最大の引き上げ幅となる50bpの利上げは、政策金利をより中立的な水準に引き上げ、インフレ期待が高まるリスクを低下させる狙いがあると説明。
「不確実性の高い世界経済環境に照らして、今回大きく動くことは今後の政策の柔軟性を高めることにもなる」とした。
ただ、政策金利が23年末に3.35%でピークに達するという従来の見通しを維持し、タカ派的なスタンスを和らげた。
中銀の発表を受け、NZドル/米ドルは0.5%上昇し、0.6885米ドルとなったが、最近付けた5カ月ぶりの高値(0.7034米ドル)は下回っている。
今後の利上げ観測が後退し、2年物スワップ金利は17ベーシスポイント(bp)低下し、3.46%となった。
ウエストパックのNZ市場戦略担当責任者、イムレ・スパイザー氏は市場の織り込み度合いを踏まえれば、極端にタカ派的な結果ではなかったと分析。「重要なのは政策金利の軌道がほぼ変わることがないと示唆したことだ。これはややタカ派的で、NZドルが小幅上昇する可能性がある」と述べた。
<最も後悔が少ない道>
会合の議事要旨によると、大幅利上げを先延ばしせずに今実施し、インフレ期待が高まるのを阻止し、将来的な生産、金利、外国為替相場における不必要なボラティリティーを抑えることは、「最も後悔が少ない」政策軌道という点で理事会メンバーの見解が一致した。
現行の金利水準はなお緩和的との見方でも一致した。
キウイバンクのチーフエコノミスト、ジャロッド・カー氏は、中銀が早めに大幅な利上げを実施するスタンスを取っていることから、5月に50bpの追加利上げを予想。「今年末までに政策金利は3%に達するだろう」と述べた。