[日本インタビュ新聞社] - (決算速報)
マルマエ<6264>(東証プライム)は12月28日の取引時間終了後に24年8月期第1四半期業績(非連結)を発表した。半導体分野を中心とする市場停滞の影響を受けて大幅減収・赤字だった。そして通期減益予想を据え置いた。半期別に見ると上期は厳しい状況が継続するものの、下期は回復基調に転じる見込みとしている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は10月の年初来安値圏から反発して戻り歩調だ。足元の業績悪化は織り込み済みであり、半導体市場の回復を背景に上値を試す展開を期待したい。
■24年9月期1Q赤字、通期も減益予想だが下期回復基調
24年8月期第1四半期の業績(非連結)は、売上高が前年同期比55.1%減の11億17百万円、営業利益が22百万円の損失(前年同期は6億68百万円)、経常利益が49百万円の損失(同6億63百万円)、四半期純利益が39百万円の損失(同4億67百万円)だった。半導体市場停滞の影響を受けて大幅減収・赤字だった。
受注高は47.9%減の9億46百万円(半導体分野が51.1%減の6億39百万円、FPD分野が102.9%増の2億77百万円、その他分野が92.2%減の28百万円)で、分野別の売上高は半導体分野が58.9%減の7億69百万円、FPD分野が35.7%増の3億03百万円、その他分野が96.4%減の12百万円だった。
半導体分野は底打ち感があるものの、在庫調整が継続して大幅減収だった。FPD分野はG6・G8、OLED向けが回復基調となった。その他分野は太陽電池製造装置部品の需要が急減した。利益面は売上減少と稼働率低下で赤字での着地となった。
通期予想は据え置いて売上高が23年8月期比1.9%増の70億円、営業利益が20.9%減の6億80百万円、経常利益が28.8%減の5億62百万円、当期純利益が43.4%減の4億円としている。配当予想は23年8月期比6円減配の30円(第2四半期末10円、期末20円)としている。予想配当性向は94.8%となる。
半導体を中心とする市場停滞長期化の影響により減益予想としている。分野別売上高の計画は半導体分野が13.8%減の39億09百万円、FPD分野が19.3%増の9億23百万円、その他分野が41.7%増の19億47百万円としている。半導体分野の在庫調整は、消耗品については不透明だが、製造装置向けについては解消の目途が付いたとしている。また開発品および転注評価用の試作品の受注が増加している。FPD分野ではOLED G6・G8向けの設備投資計画が増加している。その他分野では太陽電池製造装置部品の受注が活発である。
なお半期別に見ると、上期(売上高24億円、営業利益82百万円の損失、経常利益1億60百万円の損失、四半期純利益1億13百万円の損失)は厳しい状況が継続するものの、下期(売上高46億円、営業利益7億92百万円、経常利益7億22百万円、四半期純利益5億13百万円)は回復基調に転じる見込みとしている。設備投資については増産投資を先送りし、開発投資と社員満足度向上投資を優先する方針としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。
■株価は戻り歩調
株価は10月の年初来安値圏から反発して戻り歩調だ。足元の業績悪化は織り込み済みであり、半導体市場の回復を背景に上値を試す展開を期待したい。12月28日の終値は1902円、今期予想PER(会社予想のEPS31円64銭で算出)は約60倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS591円25銭で算出)は約3.2倍、そして時価総額は約248億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)