21日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
- ■株式見通し:IPOに集中していた資金が膨らんで還流してくる
- ■アース製薬、20/12上方修正 営業利益100億円←46億円
- ■前場の注目材料:東芝、洋上風力設備に参入、京浜事業所で生産
■IPOに集中していた資金が膨らんで還流してくる21日の日本株市場は、基本的にはこう着感の強い相場展開が続きそうである。
18日の米国市場は下落となり、NYダウは124ドル安だった。
追加経済対策で連邦準備制度理事会(FRB)の緊急融資プログラムに絡んだ予算を巡り与野党の意見が食い違っているとの報道で成立に不透明感が再燃。
国家核安全保障局(NNSA)を含む複数の連邦政府機関が大規模サイバー攻撃を受けたことも警戒感に繋がった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円安の26705円。
円相場は1ドル103円30銭台で推移している。
米国の調整については&P500種指数のリバランスやクアドルプル・ウィッチングで、オプション、先物の期日に絡んだ売買の影響が大きかったと考えられ、下落の影響は限られよう。
一方で、米議会共和、民主両党の指導部は約93兆円の追加経済対策案で大筋合意に達し、20日にも最終案が上下両院で採決される可能性があると報じられている。
ザラ場中にも関連するヘッドラインが飛び出してくる可能性があるため、意識しておく必要がありそうだ。
海外勢はクアドルプル・ウィッチングが通過したことにより冬休みに入る機関投資家が多いとみられ、商いは膨らみづらいこともあり、追加経済対策に関連する報道次第では、短期筋の仕掛け的な売買による指数変動が大きくなると考えられる。
もっとも日本主導での一方向の上昇も考えづらく、資金回転の速さも相まって基本的には12月SQ値を挟んでの狭いレンジ取引が続く可能性がありそうだ。
海外機関投資家の多くが冬休みに入ることを想定すると、物色の流れは個人主体の材料株が中心になりやすい。
IPOラッシュの中で先週上場した銘柄は概ね好調であり、個人の需給状況は良好である。
今週もIPOが12社予定されており、IPOラッシュが続く。
好調なIPOが続くなか、利食い資金が他の中小型株に広がる可能性も期待されてくる。
年末で短期的な値幅取り狙いが中心になりやすいが、IPOに集中していた資金が膨らんで還流してくるため、インパクトは大きいだろう。
新型コロナウイルスの新規感染者数の増加が収まらず、国内でのファイザーのワクチン承認も2月ごろになると伝えられており、市場反応は限られる。
ロンドンでのロックダウンによってセンチメントも冷まされそうである。
一方で、米国ではモデルナのワクチンが緊急承認となり、ワクチン接種によって先行きの経済回復への期待にもつながることから、改めて売り仕掛け的な動きが出てくることはなさそうである。
■アース製薬、20/12上方修正 営業利益100億円←46億円アース製薬 (T:4985)は2020年12月期の業績予想の修正を発表。
売上高は従来の1870億円から1940億円、営業利益は46億円から100億円に上方修正した。
コンセンサス水準まで修正した格好。
「巣ごもり消費」の拡大に加え、収益の中核である虫ケア用品をはじめ、全カテゴリーの売上が拡大。
これに伴う粗利益の増加、ゼロベースで取り組んできた収益構造改革の結果、売上高、営業利益、経常利益はいずれも当初計画を大幅に上回り、過去最高となる見込み。
■前場の注目材料・VIX指数は低下(21.57、-0.36)・原油先物は上昇(49.24、+0.70)・日銀のETF購入・米経済対策への期待・海外のコロナ向けワクチン接種開始・東芝 (T:6502)洋上風力設備に参入、京浜事業所で生産・アンジェス (T:4563)米で治療薬治験、呼吸不全改善の可能性・フェローテク (T:6890)薄膜製造企業を買収・住友電工 (T:5802)東欧で車載電池用リード線生産、ハーネス工場など活用・リケン (T:6462)新中計、22年度売上高900億円、M&A・提携を加速・京セラ (T:6971)鹿児島に研究棟、3研究部門を集約・ライオン (T:4912)RPA開発、化学物質の規制情報収集・エーザイ (T:4523)川島工園に新製剤棟、抗がん剤生産・富士フイルム (T:4901)検査キット承認申請、現像技術応用で高精度化☆前場のイベントスケジュール・10:30 中・1年物ローンプライムレート発表(3.85%に据え置き予想)
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