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欧米為替見通し:ドル・円売り先行か、短期的に100円割れも

発行済 2016-11-09 17:30
更新済 2016-11-09 17:33
欧米為替見通し:ドル・円売り先行か、短期的に100円割れも


今日の欧米外為市場では、ドル・円は売り先行の展開を想定したい。
米大統領選で共和党トランプ候補が民主党クリントン候補を下す可能性が濃厚で、「クリントン大統領」への期待を背景としたドル買い・円売りの巻き戻しが強まる見通し。
ドルは短期的に100円付近を目指し、その後は様子見となりそうだ。


日本時間16時現在で選挙結果はまだ判明していないが、現地メディアなどによるとトランプ氏は激戦区でクリントン氏を破り、選挙人も260人超獲得したもよう。
米大手メディアは投票日直前までクリントン氏リードを報じていたため、市場関係者の多くはクリントン氏勝利に期待したドル買い・円売りを進めていたが、報道とは逆の結果になるとの観測が広がっている。


主戦場となったアジア市場では「トランプ大統領」を消化する動きとなり、ドル・円は105円47銭から101円20銭まで4円超も下落。
ただ、欧州連合(EU)離脱を選択した6月の英国民投票後にドルが106円84銭から99円02銭まで8円近く下落したのに比べ、現時点の下げ幅は半分超程度になっている。
目先ドル・円は短期的に100円を割り込む展開が想定されるものの、足元の水準からさらに急激なドル売りに振れるとは想定しにくい。


注目すべきは、大統領選と同時に行われた連邦議会選で上院は共和党が多数派を維持しそうなことだ。
下院も同様の結果が予想されている。
トランプ氏は選挙期間中の候補者討論会などでは過激な発言が取りざたされたが、外交や内政に関し政策的にはほとんど精通していないことが明白だった。
また、予想外の大接戦となったことは劣勢だったトランプ氏からみれば大健闘ではあるが、クリントン氏支持も多いことを考えればトランプ氏の大統領としての求心力は決して強くない。
このため今後は共和党主導の政策運営となりそうだ。
つまり、極端なリスクは想定しにくく、警戒の円買いは一定の水準に収まると予想したい。



【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・9月貿易収支(予想:+113.63億ポンド、8月:-121.12億ポンド)
・19:00 欧州委員会が経済見通し発表
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-1.2%)
・24:00 米・9月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.2%、速報値:+0.2%)
・03:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が討論会参加
・03:00 米財務省10年債入札(230億ドル)
・05:00 NZ準備銀行が政策金利発表(0.25ポイント引き下げ予想)


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