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リスクテイクに慎重、円金利資産は残高減も超長期債中心に投資=22年度・かんぽ生命運用計画

発行済 2022-04-22 17:21
更新済 2022-04-22 17:27
© Reuters.    4月22日、日本郵政グループのかんぽ生命保険は、一般勘定資産の2022年度の資産運用について、円金利資産は超長期国債を中心に投資するものの総資産が縮小する見込みのため

[東京 22日 ロイター] - 日本郵政グループのかんぽ生命保険は、一般勘定資産の2022年度の資産運用について、円金利資産は超長期国債を中心に投資するものの総資産が縮小する見込みのため残高を減らす一方、オルタナティブ資産を積み増す計画を示した。

22日に開催した22年度資産運用方針説明会で、野村裕之運用企画部長が明らかにした。

同氏は「コロナ以降の急速な景気回復期は終盤を迎えている。リスクアセットへの投資は慎重めに行っていきたい」と述べたほか、「慎重なリスクテイク」という言葉を繰り返し、中期計画に基づいて積み増しを進めるオルタナティブ資産以外のリスク性資産には慎重な姿勢を見せた。

このうち円金利資産については、「円金利の(保有債券の)償還は毎年3兆円程度の金額になる。その中でJGB(日本国債)をしっかり購入するが、ネットではマイナスとなる」として、投資額が償還分に届かず全体の残高は減少する見通しだが、30年を中心に超長期国債を積極的に買い入れる方針を示した。

外貨建て債券については、為替ヘッジ付き・オープンともに「慎重なリスクテイク」を行い、残高は横ばいを見込む。

特に円金利資産の代替と位置付けるヘッジ外債については、米短期金利が上昇してドルのヘッジコストの上昇・高止まりが見込まれる中でスタンスを転換する。

足もとのヘッジコストの上昇と金利上昇を見越して既に昨年度にはヘッジ外債残高を落としており、今年度はその残高水準から横ばいか微減とする。またヘッジ外債ポートフォリオを従来の米国メインから、ユーロを増やして通貨分散を図る。

一方、オープン外債については、為替のボラティリティーを勘案するとヘッジ付きを減らす分をオープンに組み入れることはせず、残高は横ばい程度で、ポートフォリオ内の通貨分散を進めたいという。

またリスク性資産の株式については、国内株・外国株ともに「慎重なリスクテイク」を基本姿勢として、残高は横ばいの見通し。このうち国内株は「大きな調整があれば積み増しを検討するが、調整があるとの前提でその局面までは少し残高を落として買い場に備えるリスク削減のタイミングとしたい」とした。

このほかオルタナティブ資産は、「単年度というよりも中期経営計画で、着実に中期的にウェイトを上げていく」スタンスで、前年度に引き続いて残高を増やす。具体的には、プライベートエクイティ(PE)、インフラエクイティ、不動産ファンドに投資し、ヘッジファンドは増やさないという。

かんぽ生命の一般勘定の総資産残高は、12月末時点で67兆2119億円。うち外貨建て資産は5兆5507億円(8.3%)。

2022年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り   0.10―0.30%(年度末0.25%)

米国債10年物利回り    2.25―3.25%(年度末2.60%)

日経平均          2万5000―3万1000円(年度末2万8000円)

© Reuters.    4月22日、日本郵政グループのかんぽ生命保険は、一般勘定資産の2022年度の資産運用について、円金利資産は超長期国債を中心に投資するものの総資産が縮小する見込みのため残高を減らす一方、オルタナティブ資産を積み増す計画を示した。写真は日本郵政グループの看板。2019年12月撮影(2022年 時事通信)

ドル/円          117―132円 (年度末125円)

ユーロ/円         135―145円 (年度末138円)

(植竹知子)

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