[21日 ロイター] - 米半導体大手インテルの幹部は、外部の企業と半導体生産技術のライセンス契約を結ぶ可能性に言及しているが、アナリストは、ライバルの台湾積体電路製造(TSMC)やサムスン電子が、インテルとのライセンス契約に関心を示すかは疑問だと指摘している。
ライセンス契約を締結すれば、企業秘密を共有することになりかねないためだ。
インテルは半導体の設計と生産の双方を手掛ける数少ない半導体メーカーの1つ。だが、近年は生産技術で台湾・韓国企業に後れを取っており、ビジネスモデルの修正が必要との声が出ている。
一部の株主は、生産の外部委託を提案しているが、インテルは21日、外部の生産施設の利用を拡大するが、2023年に投入する製品の大半は社内で生産する方針を示した。
生産の外部委託では、ライバルの生産施設に対する多額の投資が必要になる公算が大きいが、ライセンス契約を締結すれば、そうした投資を避けられる可能性がある。
退任するボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は決算会見で「大雑把に言えば、当社が保有している技術を共有して他社が利用できる形にする、他社が開発した技術を活用して当社も利用できる形にする、といったことになるかもしれない」と述べた。
ただ、問題は、そうしたライセンス契約の締結にどの程度のコストがかかるのか、またライバル企業がライセンス契約に関心を示すかどうかだ。
インテルは、ライセンス契約の締結先になり得る企業について、具体的な社名は挙げていないが、高性能半導体分野のライバル企業はTSMCとサムスン電子しかない。
バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は「相当な対価が得られない限り、TSMCが重要な企業秘密を(インテルに)渡すとは思えない」と指摘した。