[ロンドン 25日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は25日、世界経済フォーラム(WEF)主催のオンライン会議で、長期にわたり決済手段として機能し得る構造を持つ暗号資産(仮想通貨)は存在しないとの見方を示した。
「デザイン、ガバナンス、取り決めにおいて永続的なデジタル通貨とも呼ぶべき領域に到達したかと言えば、正直、まだだと思う」と語った。
暗号資産の中で最も知名度が高いビットコインは、今月8日に4万2000ドルを付けて過去最高値を更新した。だが、先週は2万8800ドルまで値を下げており、通常の通貨よりもボラティリティーがはるかに高い。
ベイリー氏は「人々が、安定した価値を持つ決済手段が使われるという安心感を持てるかという問題は、結局、銀行と法定通貨を結び付けており、法定通貨は国家と関係がある」とした。
英中銀は現在、独自のデジタル通貨発行の実現可能性を検討している。
ベイリー氏はデジタル通貨での取引における適切なプライバシーの基準について盛んな議論が行われる可能性が高いとし、プライバシーの問題はデジタル通貨発行での課題として過小評価されているかもしれないとの認識を示した。 OLJPTEC Reuters Japan Online Report Technology News 20210126T000122+0000