[上海 5日 ロイター] - 中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の共同最高経営責任者(CEO)趙海軍氏は5日、特定の種類の半導体に対する顧客の需要を満たすことができないと明らかにした。工場は数四半期にわたってフル稼働しているという。
決算発表後の電話会見で述べた。
また外部からの制裁が売上高の伸びに今後も影響を及ぼすと指摘した。
趙氏は、世界の自動車メーカーなどが半導体不足に見舞われている問題を巡り、SMICは自動車用ではさほど逼迫を経験していないものの、他分野の半導体では強い圧力にさらされていると指摘した。
また価格設定について、SMICは長期顧客との契約を尊重するが、需給の変化を受けて同社の交渉余地は広がっており、顧客もそれを理解していると述べた。
2020年第4・四半期決算は売上高が9億8100万ドルと、前年比16.9%増加した。だが、21年の売上高については1桁台「半ばから後半」の伸びになるとの見通しを示した。
趙氏はこれについて「(制裁による)影響がなければ、昨年の記録的な成長の勢いを維持できたはずだ」と指摘。「外部からの影響はコントロールできないが、危機や変化を前にして新たな可能性や機会を育む」と述べた。
SMICは、半導体の国内生産能力を構築する中国の取り組みで主要な役割を果たしているが、米国のトランプ前政権が導入した制裁により、米企業からの調達が制限されている。
趙氏は、生産拡大に必要な装置を購入するため、ライセンス取得に向けてサプライヤーや米政府と協議を継続していると述べた。
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