[9日 ロイター] - 米ツイッターが9日発表した2020年第4・四半期決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。一方、利用者数の伸びは市場予想に届かなかった。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に加速していた利用者数の増加が、今後数四半期で減速するとの見通しも示した。
第4・四半期の売上高は前年同期比28%増の12億9000万ドルと、市場予想の11億9000万ドルを上回り、過去最高となった。株価は引け後の取引で約3%上昇した。
2021年については、経費が25%以上増加する見通しだが、売上高の伸びがこれを上回ると予想した。
広告閲覧が可能な1日当たりの平均アクティブユーザー数(mDAU)は第4・四半期に1億9200万人となり、前年比26%増加。リフィニティブがまとめたアナリスト予想は1億9650万人だった。
ツイッターは、製品の改善のほか、新型コロナや米大統領選などを巡る会話の広がりが利用者数を押し上げてきたと指摘。一方、米選挙に関する誤った情報拡散を減らすための一時的な措置が、利用者数の伸びにややマイナス影響を及ぼしたとの見方を示した。
その上で、第2・四半期から利用者数の伸び率が「2桁台の低い数字」に鈍化する可能性があるとした。
また、株主向けの書簡で、新型コロナに関連した昨年の利用者数急増が今後の伸びに課題をもたらしていると説明した。
第4・四半期の広告収入は同31%増の11億5000万ドル。市場予想は10億5000万ドルだった。
ネッド・シーガル最高財務責任者(CFO)は、新しい形式の広告やユーザーの関心に沿った広告を表示するターゲティングの改善が寄与したと述べた。
ノイバーガー・バーマンのシニアリサーチアナリスト、ハリー・スリニバサン氏は、利用者数の伸びが予想を下回ったことを投資家が受け流している理由について、広告収入や利益の増加、予想を上回る売上高見通しなど他に明るい材料が見られたためだと指摘した。
第4・四半期の純利益は2億2210万ドル(1株当たり0.27ドル)で、前年同期の1億1880万ドル(同0.15ドル)から増加。諸項目を除いた1株利益は0.38ドルで、市場予想の0.31ドルを上回った。
第4・四半期の経費は前年比21%増の10億4000万ドル。エンジニアや製品、設計担当者、研究者を中心に20%超の人員追加を計画していることなどから、経費の拡大が見込まれるとした。
21年第1・四半期の売上高見通しは9億4000万─10億4000万ドルとした。市場予想は9億6514万ドル。
米アップルが今春、iPhone上などのターゲティング広告を巡りプライバシー保護強化を計画していることについては、「影響は軽微」との見方を示した。
*情報を追加します。