ドナルドソン・カンパニー(DCI)は、2025年度第1四半期の売上高が前年同期比6%増の9億ドルに達したと発表しました。また、調整後1株当たり利益(EPS)は11%増の0.83ドルとなりました。一方で、粗利益率は35.6%と横ばいでした。決算説明会では、戦略的な事業拡大やイノベーション、一部事業セグメントでの課題などが強調されました。
主なポイント
- 2025年度第1四半期の売上高は6%増の9億ドル
- 調整後EPSは11%増の0.83ドル
- ライフサイエンス部門は税引前損失を計上
- 新たなイノベーションと欧州市場での事業拡大
- 中国市場でプラス成長
業績概要
ドナルドソンの2025年度第1四半期の全体的な業績は堅調で、売上高は前年同期比6%増となりました。セグメント別では、モバイルソリューションが高い税引前利益率を示す一方、ライフサイエンス部門は課題に直面し税引前損失を計上しました。こうした課題にもかかわらず、同社は粗利益率を維持し、営業利益率を前年から若干改善させることができました。
財務ハイライト
- 売上高: 9億ドル(前年同期比6%増)
- 調整後EPS: 0.83ドル(前年同期比11%増)
- 粗利益率: 35.6%(前年同期と横ばい)
- 営業利益率: 14.9%(2024年度の14.7%から上昇)
今後の見通し
ドナルドソンは、通期の売上高が2%〜6%増加すると予想しています。産業ソリューションとライフサイエンス部門では、それぞれ4%〜8%の増加と低二桁の成長が見込まれています。営業利益率は15.3%〜15.9%、調整後EPSは3.56ドル〜3.72ドルと予想されています。
経営陣のコメント
トッド・カーペンターCEOは、様々な分野での市場シェア拡大を強調し、「モバイルソリューションのアフターマーケット、産業用集塵機、航空宇宙・防衛、ディスクドライブなど、複数の事業分野でシェアを獲得しています」と述べました。また、同社の持続可能性への貢献について、「私たちは、よりグリーンで効率的な現代経済を実現する推進力となっています」と付け加えました。
質疑応答
質疑応答では、アナリストからライフサイエンス市場の課題や、これらの問題に対処するための同社の戦略について質問がありました。経営陣は、継続的なコスト最適化の取り組みや、同セグメントの業績改善を目指した戦略的投資について説明しました。その他の質問では、今後の選挙や関税の潜在的な影響、アフターマーケットの需要、市場シェア獲得などに焦点が当てられました。
リスクと課題
- ライフサイエンス部門の損失: このセグメントでの継続的な損失が全体の収益性に影響を与える可能性があります。
- 市場飽和: 主要市場での競争激化が利益率を圧迫する可能性があります。
- マクロ経済的圧力: 世界経済の不確実性が需要に影響を与える可能性があります。
- サプライチェーンの混乱: 潜在的な混乱が生産や納期に影響を与える可能性があります。
- 規制の変更: 主要市場での新たな規制が事業に影響を与える可能性があります。
この包括的な概要は、ドナルドソンの2025年度第1四半期の業績を示すとともに、同社が変化する市場環境の中で直面する強みと課題を浮き彫りにしています。
ドナルドソン・カンパニー(DCI) 2025年度第1四半期決算説明会 全文:
会議オペレーター: お待たせいたしました。ドナルドソン・カンパニー2025年度第1四半期決算説明会にようこそ。背景ノイズを防ぐため、全ての回線をミュートにしております。スピーカーの発言後、質疑応答の時間を設けます。ありがとうございます。それでは、投資家向け広報担当シニアディレクターのサリカ・ドッドウェルに引き継ぎます。
どうぞ始めてください。
サリカ・ドッドウェル(ドナルドソン・カンパニー投資家向け広報担当シニアディレクター): おはようございます。ドナルドソンの2025年度第1四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。本日は、会長兼社長兼CEOのトッド・カーペンターと、CFOのブラッド・ポーゲルスが同席しています。また、前CFOで現在は戦略アドバイザーのスコット・ロビンソンも参加しています。本日は、トッドとブラッドが第1四半期の業績概要と2025年度の見通しを再確認します。
本日の説明会では、非GAAPベースまたは調整後の結果について説明します。2025年度第1四半期の非GAAPベースの結果には、主にライフサイエンス部門のコスト削減イニシアチブに関連する330万ドルの税引前リストラ費用およびその他の費用は含まれていません。GAAPベースと非GAAPベースの指標の調整表は、本日朝に発表したプレスリリースに添付されているスケジュールに記載されています。また、本日の説明会で述べられる将来の見通しに関する発言は、プレスリリースおよびSECへの提出書類に記載されているリスクと不確実性の対象となることにご留意ください。それでは、トッドに引き継ぎます。
トッド・カーペンター(ドナルドソン・カンパニー会長兼社長兼CEO): ありがとう、アーク。おはようございます。始める前に、取締役会とドナルドソン・カンパニーを代表して、スコット・ロビンソンの過去9年間の貢献に感謝したいと思います。彼のおかげで、私たちの組織はより良くなりました。彼は、間違いなく財務業績と株主価値の創造につながるいくつかの重要なグローバルイニシアチブを主導しました。
また、彼はドナルドソン・カンパニーが今まで持っていた中で最高の世界クラスの財務チームを構築しました。スコット、退職を楽しんでください。あなたはそれを勝ち取りました。そして、狩猟、釣り、旅行などのあなたの冒険の続きについての話を聞くのを楽しみにしています。そして、現CFOのブラッド・ポーゲルスを正式に紹介したいと思います。多くの方々は、ブラッドがドナルドソンの投資家向け広報責任者を務めていた頃からご存知だと思います。
彼は約10年間当社に在籍しており、彼の経験と当社事業への深い理解が新しい役割での成功を可能にすると確信しています。それでは、第1四半期の結果に移りましょう。第1四半期の過去最高益は、2025年度の力強いスタートを示しています。3つのセグメント全てで売上高が増加し、主要事業部門でテクノロジー主導のソリューションによりシェアを獲得し、高い粗利益率を維持しました。また、会社の利益率プロファイルを最適化し向上させる継続的な取り組みの一環として、市場圧力が続くライフサイエンス部門の費用構造を見直すための措置を講じました。
この取り組みは、前四半期に開始したフットプリントとコスト最適化プログラムの一部です。要約すると、今四半期は実行し、より高い収益性への基盤を築きました。それでは、各セグメントのハイライトをいくつか紹介します。モバイルソリューションでは、農業や輸送など一部の最終市場の状況が弱い中、売上高の力強い成長と収益性の向上を達成しました。これは、アフターマーケット事業の販売量増加と製品ミックスの改善によるものです。
成長を支えるため、ミシシッピ州オリーブブランチに新しい物流センターを開設し、アフターマーケット製品をスピーディーかつ確実にお客様にお届けする能力を強化しました。産業ソリューションでは、航空宇宙・防衛事業の業績が引き続き優れており、最終市場の状況が好調な中、新規部品と交換部品の販売が大幅に増加しました。コネクテッドソリューションの売上高は、産業セグメントの中ではまだ小さな部分ですが、接続された機械と顧客施設の数が増加したため、前年同期比で大幅に増加しました。ライフサイエンスでは、シェア獲得とディスクドライブ市場の状況改善、および食品・飲料事業の好調により、売上高が二桁増加しました。四半期の初めに、フランス、ドイツ、オーストリアで濾過サービスを開始し、食品・飲料市場での存在感を拡大しました。
この拡大により、ドナルドソンの専門家と製品・プロセスの完全性を顧客の現場に直接提供することができます。また、欧州全体でのさらなる拡大とシェア獲得の基盤も整いました。バイオプロセス関連の買収に関しては、製品発売を通じて市場への浸透を進めています。ユニバーサル・テクノロジーズは、Scale X Nexoバイオリアクターを発売しました。これは、複数のモダリティにわたる効率的な細胞培養プロセス開発のために設計された小型の固定床システムです。当社のソリューションは、培地と試薬の消費量を削減し、バイオ製造をより費用対効果の高いものにします。
Isolair Bioは、研究グレードのIsotag AAV試薬の提供を発表しました。Isotag試薬プラットフォームの最新追加製品であるこの試薬は、遺伝子治療用AAVの精製において大きな進歩を表しており、精製プロセスを加速し、収率、純度、品質を向上させます。製造グレードの試薬は、2025年に提供開始予定です。これらの技術は、バイオプロセス事業が開発してきた革新的なソリューションのほんの一部です。私たちは、これらの市場での成長の見通しに楽観的であり、買収した事業の拡大に引き続き注力しています。
それでは、全社的なハイライトをいくつか紹介します。売上高は9億ドルで、主に販売量の増加により前年同期比6%増加しました。価格は1%のプラス要因となり、為替は1%の追い風となりました。第1四半期の調整後EPSは0.83ドルで、前年同期比11%増加しました。売上高の増加によるレバレッジ効果により、営業利益率は2024年度から改善しました。
製品とサービスをお客様にお届けし、受注残を処理し、納期を改善しました。サプライチェーンの制約は事業の一部の分野で続いていますが、全体的にはより正常化した状況の恩恵を受けています。四半期中、設備投資とR&D投資を通じて、将来の収益性のある成長に向けて慎重に投資を続けました。設備投資には、人材の採用と定着、ライフサイエンス部門を含む新製
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