Salesforce Inc.は第3四半期の収益が前年同期比8%増の94億4000万ドルとなり、AI搭載ソリューションで大きな進展があったと発表しました。同社の株価は時間外取引で若干下落し、好調な業績と楽観的な見通しにもかかわらず、投資家の反応は分かれました。
主なポイント
- Salesforceの第3四半期収益は前年同期比8%増の94億4000万ドル
- 営業キャッシュフローは29%増の20億ドル
- AI搭載プラットフォーム「Agent Force」を発表し、初週で200件の契約を獲得
- 第4四半期に世界で1,400人の営業担当者を新規採用予定
- 時間外取引で株価は0.34%下落
業績
Salesforceは第3四半期に前年同期比8%の増収を達成し、堅調な業績を示しました。Agent Forceなどのデジタル労働プラットフォームを中心としたAIへの戦略的注力により、拡大する企業向けAI市場でリーダーとしての地位を確立しています。この成長は、企業が効率性とイノベーションを推進するためにAIを採用する業界全体のトレンドと一致しています。
財務ハイライト
- 収益:94億4000万ドル(前年同期比8%増)
- 非GAAP営業利益率:33.1%(190ベーシスポイント改善)
- GAAP営業利益率:20%(過去最高)
- 営業キャッシュフロー:20億ドル(前年同期比29%増)
- フリーキャッシュフロー:18億ドル(前年同期比30%増)
- 残存履行義務(RPO):531億ドル(前年同期比10%増)
今後の見通し
Salesforceは2025年度の見通しを強気に示し、収益を378億ドルから380億ドルと予想しています。これは8-9%の成長を意味します。また、非GAAP営業利益率の見通しを32.9%に引き上げました。同社は今後の成長を牽引すると期待されるAgent ForceとData Cloudへの投資を継続する予定です。
経営陣のコメント
マーク・ベニオフCEOは、AIの変革的な可能性を強調し、「これは単なる技術革命ではありません。私たち全員にとってより良い未来を創造する機会です」と述べました。エイミー・ウィーバー社長兼CFOは、Salesforceの戦略的ポジションを強調し、「Salesforceは、企業向けAIプラットフォームのリーダーとなり、世界中の企業にデジタル労働力を提供する独自の立場にあります」と述べました。
質疑応答
決算発表後の質疑応答では、アナリストらはSalesforceのAgent Forceが様々なクラウドサービスで急速に採用されていることに注目しました。また、1回の会話あたり2ドルの使用量ベースの価格モデルや、顧客のデータ準備状況に応じて数週間から6ヶ月かかる実装期間についても質問がありました。
リスクと課題
- 市場の飽和:より多くの企業がAIソリューションを採用するにつれ、Salesforceは競争の激化に直面する可能性があります。
- 経済状況:マクロ経済の圧力が企業ソフトウェアへの顧客の支出に影響を与える可能性があります。
- 統合の課題:複数のクラウド製品にわたるシームレスな統合を確保することは運用上の課題となる可能性があります。
- データプライバシー:AIソリューションがより多くのデータを扱うようになるにつれ、堅牢なプライバシー対策の維持が重要になります。
- 人材獲得:第4四半期に1,400人の新規営業担当者を採用することは、採用と研修の課題をもたらす可能性があります。
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