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アングル:民間船でISS目指す、世界初へ宇宙飛行士が訓練中

発行済 2019-09-01 08:44
更新済 2019-09-01 08:46
アングル:民間船でISS目指す、世界初へ宇宙飛行士が訓練中
BA
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Collin Eaton

[ヒューストン 22日 ロイター] - 米テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センターに集められた経験豊富な宇宙飛行士とパイロット。米ボーイング (N:BA)が開発中の宇宙船「スターライナー」を使った国際宇宙ステーション(ISS)への有人飛行に向け、訓練を行っている。

将来的には一般客の宇宙旅行にも利用される計画のスターライナー。今月打ち上げられる予定だったが、技術的な問題や米航空宇宙局(NASA)上層部の人事異動が重なり、早くとも年末まで延期された。

NASAのスペースシャトル計画が2011年に終了して以降、初となる有人飛行の再開を巡っては、ボーイングのほか、米電気自動車テスラ創業者のイーロン・マスク氏率いる宇宙開発ベンチャー、スペースXが民間企業1番乗りを目指してしのぎを削っている。

最先端の技術を持つ両社は、今後成長が見込まれる世界の宇宙産業の中で最も成功に近い位置にいるとみられている。

NASAは近年、ISSへの人員輸送をロシアのロケットに頼ってきた。総工費1000億ドル(約10兆6000億円)のISSは、地上から400キロ上空を飛行しており、2000年11月以降、宇宙飛行士が交代しながら常時滞在している。

そこでNASAは、ISSへ宇宙飛行士を運ぶ有人カプセル搭載のロケット打ち上げシステムの開発を、スペースXとボーイングに計70億ドルで依頼した。

ロイターは、ジョンソン宇宙センターでISS行きに向けて訓練を行うNASAの宇宙飛行士ニコル・マン氏とマイク・フィンク氏、さらにボーイングの宇宙飛行士でテストパイロットのクリストファー・ファーガソン氏に、異例のインタビューを行った。

彼らはここで、宇宙空間で歩くための水中訓練や、ISSで緊急事態が起きた際の対応、フライトシミュレーターによるドッキングのトレーニングなどに取り組んでいる。

<任務を率いるファーガソン氏>

自動操縦システムを搭載したボーイングのCST-100スターライナーのプロジェクトを率いるのは、NASAの元宇宙飛行士で、退役米海軍大佐のファーガソン氏(57)だ。

「ボーイングは(宇宙船の)規模や動力の確保については理解していたが、内部や、自動操縦で動く機体と乗員とのインターフェイスについてはあまり考えていなかったようだ」

機内のデザインは簡素化が図られつつ、操縦士が現在地、目的地、その経路を把握したり、予期せぬ事態をどう立て直すか把握してしやすいよう、「大いなる妥協」を盛り込んだという。

2011年にスペースシャトル最後の飛行を率い、通算40日以上を宇宙で過ごしたファーガソン氏は、「結局のところは機体を見極めることに尽きる。変化球を投げてよこさないようにしておきたい」と話した。

<初めての宇宙飛行となるマン氏>

米海軍の元戦闘機パイロットのマン氏(42)は、父母や祖父母の世代と違い、アポロ計画を見ずに育った若者が、米国発の新たな宇宙飛行によって活気づくことを楽しみにしていると語った。

「アメリカ人にとってはとても大きなイベントになる。米国の国土から打ち上げられるのを若い世代が目にし、これにより雇用と産業が米国に戻ることは重要だ。われわれの宇宙飛行の未来は明るい」

<宇宙旅行の基礎を築くとフィンク氏>

スターライナーの任務は、人や物資を宇宙ステーションへ運んだり、観光客を宇宙に連れて行く商業飛行の基礎を築くことにあると、宇宙を3度経験したNASAのベテラン宇宙飛行士、フィンク氏は語った。

「宇宙に行ったことがある人間は500人ほどしかいない。次の10年で、それが5000人に増えることを願っている。次の20年なら5万人か、それ以上だ」と、元空軍大佐で、宇宙ステーションに6カ月滞在したことがあるフィンク氏は話した。

<米国旗を持ち帰る>

ファーガソン氏は最後のスペースシャトル飛行を率いた8年前、ISSに米国旗を残してきた。次にISSへ行く米国人宇宙飛行士に地球へ持ち帰ってもらうためだったが、初の米商業宇宙船で自ら回収に行くのも悪くないと今は考えている。

もしスペースXの宇宙船が先に到達したらどうするのか。

「それも非常に嬉しく思うだろう。誰が持ち帰るかではなく、持ち帰られるということが重要だ。(スペースXの宇宙船に乗り込む予定のNASA宇宙飛行士)ダグ・ハーレーのためにも嬉しく思う」と、ファーガソン氏は話した。

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