[オタワ 2日 ロイター] - 総選挙を10月21日に控えるカナダで2日、初のテレビ討論会が行われ、巻き返しを狙うトルドー首相(自由党党首)は、妊娠中絶問題などを巡って主要ライバルのシーア保守党党首を激しく攻撃した。
トルドー首相は、過去に顔を茶色く塗る差別的な仮装をしていたことが暴露されるなど一連のスキャンダルに見舞われており、世論調査によると、与党自由党が総選挙で野党保守党に敗れる可能性も出ている。
討論会は、政治的に重要なケベック州でフランス語で実施された。トルドー首相は、シーア保守党党首が妊娠中絶の是非を巡る議論を再開しようとしているとし「党首として、父親、夫として、女性が選択する権利を持つべきだと信じているか」などと迫った。
それに対してシーア党首は「私が率いる保守党政権が誕生した場合、(中絶の是非を巡る)議論を再開するつもりはない」と強調した。
カナダでは中絶への制限がほとんどない。進歩派の有権者の離反につながることを恐れ、保守党は伝統的に中絶問題を避ける傾向にある。