[香港 4日 ロイター] - 抗議活動が激化している香港で、政府が4日に「緊急状況規則条例」の適用を検討する方針であることが、複数の関係筋の話で明らかになった。条例の下、抗議活動の際に参加者がマスクなどで顔を覆うことが禁止される可能性がある。
1日の衝突で警察が実弾を発砲し、18歳の男性が至近距離で撃たれたことに反発が強まっており、抗議活動は一段と激化している。
4日には覆面禁止に反対するデモが計画されているほか、週末にも複数の抗議活動が予定されている。
警察当局は、18歳の男性に発砲した警官について、身の危険を感じ自衛のため発砲したと説明。撃たれた男性は現在入院中で、容体は安定している。
緊急条例を適用すれば、香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が、メディアの検閲や交通制限なども含め、公共の利益になると判断した規則を導入できる。
機動隊は3日夜から4日未明にかけて香港各地に移動、住宅地でデモ隊に催涙ガスを発射した。抗議活動がエスカレートする中、地下鉄を運営する香港鉄路(MTR)は複数の駅を閉鎖した。
4日朝の段階では、すべての駅が通常通りの業務を行っている。
緊急条例を適用すれば、デモ隊の反発が強まる可能性もある。香港政府は、緊急条例の適用を検討しているかどうかコメントを控えている。
ロイターが入手した文書では、香港警察が中国建国記念日の抗議デモに向け武力行使に関するガイドラインを緩和していたことも判明した。