[ドバイ/モスクワ/ロンドン 22日 ロイター] - 関係筋によると、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は12月の会合で、協調減産の拡大を検討する見通しだ。2020年の需要の伸びを巡る懸念が背景にある。
ただ、OPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアは、減産を拡大する前に、既存の減産合意の順守率を高めることに注力したい考えという。
OPEC加盟国のイラクやナイジェリアなどは減産目標を順守していない。一方、サウジなどは価格下落を阻止するため割り当て以上の減産を行ってきた経緯がある。
あるOPEC筋は「サウジは原油価格の下落阻止を望んでいるが、現時点ではまずナイジェリアやイラクなどに減産合意を100%順守させたい考えだ」と話した。その上で「来年に追加減産が必要かどうか12月に検討する。まだ時期尚早で、11月になれば状況がより明確になる」とした。
別のOPEC筋は「減産拡大はもちろん選択肢だが、その前にやるべきことがある。イラクやナイジェリアが100%順守しなければ、残りの加盟国は減産を拡大しないだろう」と述べた。
OPECおよび非加盟国の関係筋2人は、減産合意の順守状況を監視する委員会が来月、減産拡大のシナリオ検討を開始し、12月のOPECプラスの会合で議論する提案をまとめる可能性があると述べた。
ロシアに近い関係筋は「冬場の需要低迷が価格を下押しする可能性がある。市場に安心感を与えるため減産を拡大したほうが好ましい」と語った。
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