[ワシントン 24日 ロイター] - 米議会上院の共和党が、下院民主党によるトランプ大統領の弾劾調査のやり方を非難する決議案の成立を目指している。
決議案を提出したグラハム上院議員によると、これまでに共和党議員53人のうち44人が署名に応じた。同案は、民主党の手法を不公正だと論じるとともに、正式な弾劾調査を開始することを下院本会議で可決することや、トランプ氏が告発者と対面したり、自ら証人を呼べるようにする権利を与えることを求める内容だ。
米国の憲法では、大統領弾劾に関して下院に幅広い裁量が認められている。民主党は現在、トランプ氏が7月のウクライナ大統領との会談で、来年の大統領選で民主党候補指名争いをリードしているバイデン副大統領を調べるよう不当な圧力をかけたのではないかという点に注目している。
ただグラハム氏は「私はこの場で、トランプ氏が何も悪いことをしていないと言うつもりはない」と断った上で、下院民主党の弾劾調査の進め方が米国にとって本当に危険なものなので、軌道修正させる必要があると言いたいだけだと訴えた。
この決議案が可決されても、下院の弾劾調査に直接的に影響を及ぼすことはないが、上院共和党のこの問題についての立場を改めて示す意味がある。
下院がトランプ氏を正式に弾劾訴追すれば、上院が弾劾裁判を開く見込み。上院議員の3分の2が賛成すれば、大統領は罷免される。過去に弾劾によって職を追われた米国の大統領は存在しない。