[東京 1日 ロイター] - 2020年東京五輪のマラソンと競歩の開催地が、国際オリンピック委員会(IOC)の提案通り札幌に決まった。変更に反対していた東京都は、同意はしないが決定を妨げない、と表明した。
会場変更は、東京都、政府、大会組織委員会とIOC調整委員会の4者協議で1日、決定した。IOCのコーツ調整委員長は、会場変更の権限はIOCにあることで合意したとし、これ以外の競技会場の変更はしないと語った。
東京都の小池百合子知事は協議の中で「IOCの決定に同意することはできないが、決定を妨げることはしない」と表明、「あえて言うなら、合意なき決定だ」と述べた。
協議では、札幌に会場を変更することに伴う追加経費は東京都が負担しないことも決まった。
午後に開かれた記者会見の質疑応答でコーツ委員長は、「日本人にとってマラソンが特別な位置づけであることを認識している」と述べ、代替として東京でオリンピックのセレブレーションマラソン大会を開くことを都に提案したと明らかにした。そのうえで会場の変更が「東京にとって悪い思い出とならないようにしたい」と述べた。
会場変更に伴う追加経費については、IOCが負担する考えを示した。
森喜朗組織委員会会長は「東京都は、大英断といっていい決断をされた。敬意を表したい」とし、マラソンを楽しみにし、準備に尽力してきた都民と地元自治体に「大変申し訳ないことだと思っている」と語った。
マラソンと競歩の開催地を巡っては、9月─10月にカタールのドーハで行われた陸上世界選手権のマラソン競技で暑さのため棄権する選手が相次いだことを受け、IOCが10月中旬に突然、会場を東京から札幌に移す計画を発表、これに都知事などが強く反発していた。
*内容を追加しました。
(宮崎亜巳 編集:内田慎一)