[モスクワ 31日 ロイター] - 1989年11月9日のベルリンの壁崩壊から間もなく30年を迎えるのを前に、ゴルバチョフ元ソ連大統領はロイターに対し、ロシアと西側諸国の間に物理的な壁や目に見えない壁を新たに生み出すべきではないとの考えを示した。
ゴルバチョフ氏は旧ソ連の共産党書記長としてベルリンの壁崩壊や東西冷戦終結に至る過程で重要な役割を果たし、その後大統領に就任した。
ロイターへの書面で同氏は、劣悪な東西関係、特に核兵器を巡る米・ロシア間の対話の欠如に懸念を示した。
レーガン元米大統領と結んだ1987年の中距離核戦力(INF)廃棄条約から米国が離脱したことも批判し、トランプ米大統領の離脱決定は「偉大な頭脳の成すことではない」とした。
ただ、冷戦時代のような物理的な壁や目に見えない壁を生み出して東西の違いに形を与えるべきではないと強調した。
さらに、現在の状況がどれだけ危険であったとしても、冷戦の再来ではないとの見方を示した。