[ソウル 10日 ロイター] - 韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は10日の記者会見で、米国は北朝鮮に対し、再び交渉の席に着くよう「非常に精力的に」説得を図っていると語った。
さらに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が米国に2019年末までに譲歩するよう期限を切ったことについて、韓国はこの期限を「非常に真剣に」受けとめていると述べた。
金委員長は今年4月、米国の態度が適切なら3回目の米朝首脳会談に応じてもよいとの考えを示し「年末までは忍耐強く米国の勇気ある決断を待つ」と述べていた。[nL3N21W00H]
ただ、北朝鮮外務省のチョ・チョルス北米局長は8日、米朝関係正常化の機会が狭まっているとし、米国側からの対応が年末までに出てくることを期待していると述べた。[nL3N27O48N]
米朝は10月に北朝鮮の非核化を巡る実務者協議を開いたが、具体的な成果は出なかった。その後、両国の対話は停滞している。[nL3N26R01R]
鄭氏は、韓国は前向きな結果が出ないまま年末の期限を迎えた場合に備え、複数の危機対応策を策定していると言及。ただ、踏み込んだ説明はしなかった。
「高官級協議が開催され、大きな進展につながった場合のみ、3回目の米朝首脳会談は可能になるだろう」との見方を示した上で、「北朝鮮側は年末を期限としており、韓国はこれを踏まえ、米国側と緊密に連携している」と語った。
米朝間の非核化協議と同様、南北間の関係改善に向けた取り組みも停滞している。