[北京 9日 ロイター] - 中国の楼継偉・元財政相は9日、中国と米国の貿易戦争はいくらか和らぐ可能性があるが、より広範囲な対立は今後も続くとの見方を示した。同氏は北京で開かれた経済フォーラムで「ある段階で譲歩があるかもしれない。すでにその兆しがみられる」と指摘した。
米中当局者は7日、通商協議の「第1段階」の合意の一環として、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税の段階的撤廃に合意したと明らかにした。ただ米政権内では反対の声が多い。
トランプ大統領自身も8日、関税撤回の合意はないと述べている。
楼氏は、米政府が世界的なバリューチェーンで存在感を高める中国を抑え込み、経済的な台頭を阻止する戦略を取っていると指摘。「封じ込めが新たな封じ込めを呼ぶ事態は不可避で、長期的な問題となる」と述べた。
一方で同氏は、世界のサプライチェーンの混乱や企業への影響を考慮すると、米国が自らを中国から切り離すことは困難との見方を示した。
さらに、米国の対中関税は貿易赤字の根本的解決策とはならないと断言。中国は海外投資家への経済開放を進めるべきだが、資本規制緩和を急ぐべきではないと警告した。