[12日 ロイター] - マルバニー米大統領首席補佐官代行は12日、トランプ大統領の弾劾調査に絡み同氏の証言を求める下院委員会の召喚状について提訴しない方針を示し、今後は弾劾調査に協力しないとするトランプ大統領の意向に沿うと表明した。
マルバニー氏の召喚状への対応は二転三転している。下院委は先週、トランプ大統領がウクライナに圧力を掛けるため支援を保留したとされる疑惑を巡り、マルバニー氏に召喚状を出し、8日に証言を行うよう求めた。マルバニー氏はこれに応じず、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の側近チャールズ・カッパーマン前副補佐官が起こしている召喚状への対応を巡る訴訟に参加する意向を表明した。
カッパーマン氏は召喚状に応じるべきか、応じないよう求めるトランプ政権の要請に従うべきかを裁判所の判断に委ねるとしている。
しかし、カッパーマン氏の弁護士がマルバニー氏の要請に反対し、連邦地裁判事も拒否する構えを示したことを受け、マルバニー氏の弁護士は11日夜、同氏がカッパーマン氏とは別に訴訟を起こすと表明していた。
マルバニー氏の弁護士は法廷に提出した文書で「検討の末、マルバニー氏は下院から受け取った召喚状を巡り訴訟しない」とし、「同氏はむしろ、証言に出席しないという司法省の法律顧問局の見解によって支えられた大統領の指示に沿う意向だ」と述べた。
マルバニー氏は10月の記者会見で、ウクライナ支援の保留は2016年米大統領選に関する調査を同国に求めるためだったとし、「外交政策では常にあること」で「これからは政治が外交政策に影響する」と発言。同氏はその後、交換条件は一切なかったと主張したものの、同氏の証言が注目されている。