[ベルリン 12日 ロイター] - ドイツ連立政権の一翼を担う社会民主党(SPD)の党首選決選投票に向けた討論会が12日行われ、11月19─29日の決選投票に残った2組が参加し、財政政策などを議論した。[nL4N27D0IB]
討論会では、世論調査での支持率が15%程度と第3位に低迷するSPDの支持をいかに回復するかが議題となった。
SPDは、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立を維持するかどうかを巡り、党内で意見が割れている。
エスケン氏とのペアで立候補している左派のウォルター・ボルヤンス元ノルトライン・ウェストファーレン州財務相は討論会で、ドイツはインフラへの大規模投資が必要であり、政府は財政赤字に陥ってでもその投資の準備をすべきとの考えを示した。
ウォルター・ボルヤンス氏は、ドイツ政府は気候変動対策で合意した予算の枠を超えて支出する必要があると主張。「学校や道路、鉄道の整備に2400億(ユーロ)、デジタル化に1000億(ユーロ)必要だ」と語った。
討論会に臨んだ対立候補のショルツ財務相に対しては、「財政均衡が崩れても行わなければならない投資があると、あなたは言うべきだ」と語った。
これに対し、財政均衡を堅持する立場で、SPDの左派に不人気のショルツ氏は「SPDが党として分別のある行動を取る場合にのみ、選挙でチャンスが巡ってくる」と返した。
ショルツ氏は東部の政治家クララ・ゲイウィッツ氏とペアを組む。
決選投票の結果は12月に開かれるSPDの党大会で正式に承認され、新たな党首が選出される。