[パリ 12日 ロイター] - フランスのカスタネール内相は12日、拘束中の過激派組織「イスラム国」(IS)戦闘員の出身国送還を始めたとのトルコの発表を受け、11人を受け入れると明らかにした。
トルコは先月、シリア北東部に侵攻し、テロ組織と見なすクルド人勢力を攻撃。トルコも加盟する北大西洋条約機構(NATO)の各国は、この攻撃をきっかけにIS戦闘員らが欧州に戻ってくる可能性があると懸念を示しており、攻撃は、米国と、特に欧州諸国の怒りを買った。
シリア北部には400─500人のフランス人がおり、このうち60人前後がIS戦闘員とみられている。そうした状況からフランスは、シリアで戦闘員となった成人の受け入れをかたくなに拒否している。
ただ、2014年にトルコと交わした合意に基づき、これまでにもトルコ当局に逮捕されたフランス人が送還された例がある。カスタネール内相は議会で、「フランス人11人の受け入れ検討は、この枠組みの一環」と説明した。
内相によると、2014年以降、250人前後のフランス人がこの制度のもとで送還されている。
内相は今回受け入れる11人の個人に関する詳細は明らかにしなかったが、フランスはこの人々を認識しており、帰国の際には司法当局に引き渡されるとした。
トルコは、これまでに戦闘員287人を拘束したほか、IS関係者の拘束者も数百人に上るが、欧州各国が自国出身の戦闘員の身柄引き受けに時間をかけすぎていると批判している。
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