[ロンドン 12日 ロイター] - 英野党労働党は13日、12月12日の選挙で勝利した場合、医療保健制度に260億ポンド(330億ドル)の追加支出を行うと表明する見通し。具体的には、数千人の追加職員採用や設備刷新、新しい機器の導入などを行うという。
労働党は、公共医療を提供する国民保健サービス(NHS)を選挙戦の中核に据えることを目指してきた。
労働党の影の保健相を務めるジョナサン・アシュワース氏は13日にロンドンで行う講演で、「今冬は歴史的な厳しい寒さになると専門家らが警告する中、NHSは患者のための本当の変革を遂げるために財政資金の投入を切望している」と訴える見通し。労働党は、講演の抜粋を事前に公表した。
「われわれはきょう、NHSが病気の人々や高齢者が受けるべき良質の医療を再び提供するためだけでなく、その将来的な存続を保証するために必要とされる資金の水準を明らかにする」と述べる。
今後4年間に年平均4.3%増加する医療関連支出について、労働党は、法人税減税の撤回と、最富裕層に対する増税で賄う案を示す。
NHSは70年以上にわたって原則無償で公共医療を提供しているが、人口の増加と高齢化による利用規模の拡大や公的介護サービスの予算削減に圧迫されており、政府の追加支出公約にもかかわらず、資金不足に直面していると警告している。このため、NHSは、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に次ぐ大きな問題として有権者の注目を集めてきた。