[ブラジリア 13日 ロイター] - 中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議が13日開幕した。習近平中国国家主席ら参加各国の首脳は、世界経済が減速する中で政治的な思惑を背景とした保護主義が蔓延しているなどと批判した上で、BRICS諸国は保護主義に対抗すべくベストを尽くしていると主張した。
BRICS首脳は域内の通商と投資の拡大を呼び掛けたほか、BRICS諸国が共同出資する新開発銀行(NDB)に対して、インフラや持続可能な成長に向けてより積極的な融資を行うよう促した。
米国との貿易問題を抱える習主席は会議で「保護貿易論者とそれに逆らう者へのいじめが、国際貿易にショックをもたらし、世界経済への下押し圧力を強めている」と述べた。
ロシアのプーチン大統領は、国際通貨基金(IMF)の予想を引用する形で、世界の成長率は2018年初頭から低下し続けており、10年ぶりの低水準に落ち込む見通しと指摘。「BRICS諸国は成長支援に多大な貢献をしている」と強調したほか「世界経済は、政治的な思惑を背景としたものを含む、通商における不公平な競争や一方的な制裁から影響を受けている。保護主義が蔓延している」と訴えた。
13日にはブラジルのボルソナロ大統領と中国の習主席との会談も行われた。ボルソナロ氏は昨年の大統領選で繰り返し中国を批判しており、BRICSの結束がそがれる可能性も指摘されていたが、ボルソナロ大統領は習主席との会談では「われわれは通商関係を拡大するだけでなく、多角化を望んでいる」などと述べ、関係改善をうかがわせた。