[ブラジリア 14日 ロイター] - ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会合は14日、世界的に保護主義が台頭するなか、公平で開かれた市場の維持に向けて協力することで一致した。また、貿易摩擦や政治的な不確実性が、貿易、投資、成長に影響を及ぼしているとの懸念を示した。
中国の習近平国家主席は、経済のグローバル化に逆行する動きへの警戒感を表明。保護主義に対抗し、世界貿易機関(WTO)の枠組みに基づく多国間主義を支持するよう訴えた。
議長国を務めたブラジルのボルソナロ大統領は、ブラジルは各国との貿易で、より実務的な政策を採用するようになったと説明した。同氏は、昨年の大統領選挙で、トランプ米大統領に感化された政策を掲げて選挙戦を戦った。
ボルソナロ氏は首脳会合の閉幕に当たり、BRICSのつながりは一段と強固になり、共通の関税導入に向けて前進したと強調した。
ロシアのプーチン大統領は、新開発銀行(BRICS銀行)によるルーブル建て融資を増やすよう求めた。BRICS諸国は、ドル建て融資への依存を減らし、貿易決済でBRICS諸国通貨の採用を進めているが、ルーブル建て融資の拡大はこうした取り組みの一環となる。
ロシア政府高官によると、BRICS加盟国間でそれぞれの通貨を利用した共通決済システムを構築する案への支持が広がっている。
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づいた取り組みを継続すると表明し、先進国に対して、金融・技術面での支援を求めた。