[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州市民のほぼ半数が気候変動を失業やテロ攻撃よりも恐れている─欧州投資銀行(EIB)は28日、こうした調査結果を公表した。
調査は中国や米国を含む30カ国の3万人が対象。欧州の回答者の47%が気候変動を生活の中で最も大きな脅威に挙げた。
EIBの気候変動・環境担当のバイスプレジデント、エマ・ナバーロ氏は「欧州市民は気候変動が日常生活と将来に及ぼす影響に強い懸念を抱いている」と指摘した。さらに「興味深いことに、その多くがこれを食い止められると楽観視しているが、残念ながら、科学上の知見ではその反対だ。われわれにとって地球温暖化とその影響を緩和する機会は一度きりだ」と強調した。
今回の調査で、気候変動に対する懸念は中国でも高く、EUをも上回った。気候変動が社会に対する最大の脅威と回答した人の割合は中国で73%、米国では39%だった。
欧州では15-29歳の若年層の41%が気候変動のため他国に移住しなければならなくなるだろうと回答。特にスペイン、ギリシャ、フランスなど南欧でこうした傾向が顕著だった。
気候変動が日常生活に影響を及ぼしていると回答したのは欧州で82%、中国で98%、米国で76%だった。
来月1日に発足する新たな欧州委員会は、EU全域で温室効果ガス排出量を2030年までに50%削減した後、50年までに排出量差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」の達成を目指している。
EIBはこうした調査を今回を含め計4回行う。