[ワシントン 2日 ロイター] - ポンペオ米国務長官は2日、キューバとベネズエラは中南米に広がる民主的なデモの「乗っ取り」を試みて社会不安をあおっていると批判し、抗議活動の過激化を阻止しようとしている同地域諸国を支援する考えを示した。
ポンペオ氏は米ケンタッキー州ルイビル大学での講演で、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドルで最近起きているデモに言及し、コロンビアはベネズエラのデモ隊が自国に入るのを恐れて国境を閉鎖したと指摘。
「トランプ政権は今後も、キューバとベネズエラによるデモ乗っ取りを阻止しようとしている諸国を支援し、合法的な(政府)との連携を通じてデモが人々の民主的な意思を反映しない暴動や暴力に姿を変えるのを防ぐ」と述べた。デモ乗っ取りに関する詳しい説明はなかった。
米国とキューバの関係はトランプ大統領が2017年1月に就任して以降、悪化している。トランプ政権はオバマ前大統領時代に進めた関係改善路線を方向転換してきた。特に、キューバ政府がベネズエラの反米左派マドゥロ政権を支持していることに反発している。
米国とその他50以上の国々はベネズエラの野党指導者グアイド氏を正当な大統領として認定している。それでもなお、マドゥロ氏は軍の支持をつなぎとめ、政府の実務を担っており、キューバのほかにロシアと中国の後ろ盾も得ている。
ポンペオ氏は、マドゥロ氏は政権に「しがみついて」おり、今後もベネズエラ国民の弾圧を続けるだろうと指摘。ただ、「マドゥロ氏に終わりは来る。いつになるのかが分からないだけだ」と語った。