[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は3日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを予想通り過去最低の0.75%に据え置いた。6月以降3回の利下げの効果を見極める。
ロイター調査ではアナリスト22人中21人が金利据え置きを予想していた。
ロウ総裁は声明で「理事会は経済の持続的成長を支えるために必要であれば一段の金融緩和を行う用意がある」と表明、追加緩和に含みを残した。
「理事会はまた、国内外の要因を理由に、長期間にわたる低金利が豪州で必要になると想定するのが妥当との見解で一致した」と述べた。
市場は来年4月までに政策金利が0.5%に引き下げられることをほぼ完全に織り込んでおり<0#YIB:>、0.25%への追加利下げあるいは国債買い入れを通じた量的緩和への大胆な移行に踏み切る可能性も十分にあるとみている。
4日には第3・四半期国内総生産(GDP)の発表が予定されており、前期比0.5%の成長率が見込まれている。前年比の成長率は1.7%と、前期の1.4%から加速するとみられており、中銀による緩やかな景気回復期待を裏付けることになる。
低金利による住宅価格の押し上げ効果は既に鮮明になっており、不動産コンサルティング会社コアロジックが2日に発表した11月の豪住宅価格指数は16年ぶりの大幅な伸びを記録した。[nL4N28C0ML]
ただ、賃金の鈍い伸びと高水準の家計債務が足かせとなり、低金利は消費の浮揚にはつながっていない。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の豪経済担当責任者デービッド・プランク氏は「GDPの前年比成長率はやや加速するかもしれないが、失業率の上昇を阻止するほど強く回復しているわけではないだろう」との見方を示した。
その上で「市場心理はまだ当面は晴れないだろう」と予想した。
豪連邦統計局が同日発表した第3・四半期の経常収支は79億豪ドル(53億6000万米ドル)の黒字と、過去最大の黒字幅となっており、輸出をはじめ、豪経済の一部では好調さも見られている。
*内容を追加しました
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