[プレトリア 3日 ロイター] - 南アフリカ統計局が3日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前期比年率0.6%減となり、第2・四半期の3.2%増(改定値)からマイナス成長に転落した。マイナス成長は第1・四半期に続き、今年2回目。
ラマポーザ大統領の就任以降、南アフリカ経済は2年近くにわたる低迷から抜け出せずにいる。
ロイターがまとめたエコノミスト調査では、前期比0.1%増と予想されていた。
統計を受け、南アランドは対ドルで0.8%下落している。
第3・四半期のGDPは前年同期比では0.1%増加。やはりエコノミスト予想(0.4%増)を下回った。第2・四半期は0.9%増だった。
ムボウェニ財務相は10月に、2019年の経済成長予想を0.5%に下方修正した。
鉱業、製造業や農業部門の落ち込みがマイナス成長の主因。特に農業は干ばつの打撃が大きかった。
鉱業部門の生産は6.1%、製造業は3.9%、農業は3.6%それぞれ減少した。この3部門でGDPの約4分の1を占めているという。
企業投資を示す在庫は95億ランド縮小。輸出の伸びが3.5%とさえなかった。一部企業が需要低迷を見込み前期に在庫を減らす意向を示していたという。
今回の指標は、ラマポーザ大統領に対して特に格付け会社からの圧力が強まる内容だ。格付け会社は低成長が主要なリスクと警告しており、投資家は歳入が減少する中で債務増加を懸念している。
ネドバンクのエコノミストは「ムーディーズの基準における成長は極めて敏感だ。同社はすでに、長期的な平均成長率を1%以下と予想している」と指摘。ムーディーズは主要3格付け会社の中で唯一、南ア格付けを投資適格級に維持しているが、先月に見通しを「ネガティブ」に引き下げた。次回の見直しは来年3月に予定されている。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191203T180421+0000