[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ米政権は3日、ベネズエラ産原油のキューバ向け輸送を行っているベネズエラの石油タンカー6隻を制裁対象に指定した。キューバに対し、ベネズエラの反米左派マドゥロ大統領支持をやめるよう迫る取り組みの一環。
米財務省の声明によると、6隻はベネズエラの国営石油会社PDVSAが所有。同省のミューズニッチ副長官は「キューバとマドゥロ前政権は、船名を変更したりベネズエラからキューバへの原油の動きを円滑にすることで制裁逃れを引き続き試みている」と指摘。
「米国はベネズエラの人々を守るために、今後も必要な行動を取る」と表明した。
ベネズエラでは2018年の大統領選でマドゥロ大統領が再選したが、この選挙が不公正だったとして野党指導者のグアイド氏が今年1月に暫定大統領就任を宣言、米国やその他50カ国超からグアイド氏が正当な大統領としての認定を受けた。
ただ、マドゥロ氏は軍の支持をつなぎとめ、政府の実務を担っており、ロシア、中国、キューバの後ろ盾も得ている。
ポンペオ米国務長官は新たな制裁に関する声明で「キューバはマドゥロ氏への支援を続け、ベネズエラ国民の自決権を侵害し、ベネズエラ政府機関の機能を損ねている」と批判した。ベネズエラはキューバに原油を輸送する見返りとして、安全保障や情報収集において支援を受けているとの見方を示した。
米国民は制裁指定されたタンカーが関与する取引に携わることが禁止されている。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191204T005257+0000